最近気がついたのだけど、ミストバーンって実は魅力溢れるキャラだよね。
えっ、ミストバーンって最後まで敵サイドのキャラだったし、最期も自業自得だったような…
ダイの大冒険の人気キャラといえば、
- ポップ
- ダイ
- アバン
- ヒュンケル
- ハドラー
この辺りが定番ですね。
特にポップとハドラーに関しては、圧倒的成長度から一気にファンが増え、僕自身もこの2人に関しては、個別に記事を作成したぐらいです。
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他にもクロコダイン(ピンクのワニ)、マァム、レオナも上位にランクインしますが、ミストバーンはランク外です。
理由は、表情も分かりにくく、完全な敵役として描かれているため、共感できる部分がパッと見えてこないからです。
しかし、視点を少し変えて読んでみると、ミストバーンの人間味ある魅力が見えてきます。
おそらく、コアなファンでない限り、この言葉を聞いてもピンとこないと思いますので、まずはミストバーンのこれまでを振り返りながら説明をしていきます。
ダイの大冒険【ミストバーン】はこんなキャラ
ミストバーンは最初と最後で全然違うので、序盤・中盤・終盤の3つに分けて説明します。
序盤のミストバーンの言動
序盤は目立つ行動は起こしません。
初登場は魔王軍団長の集結時。
集結時は無言で姿を現し、フレイザードからは無愛想な男と言われる始末。
しかしながら、バーンの決断に対し納得のいかないフレイザードに向かって口を開きます。
「…大魔王様のお言葉はすべてに優先する…」
一度口を閉ざしたら、数十年は開かぬと言われていることから、一同はびっくり!
バジル島の魔王軍総攻撃時に姿を現すも、これといった派手な行動は起こさず、いつの間にか消える。
ちなみに、この消えた理由は、やる気や興味がなかったのでなく、ハドラーがヒュンケルに敗れ死亡したため。
ハドラーの肉体は、バーンもしくはミストバーンの暗黒闘気があれば何度でも甦ることから、ミストバーンは死亡したハドラーの元に向かったのだ。
ここでミストバーンが、初めてまともに喋ります!
長いセリフだったので要約すると、
「バーン様のために修羅のごとく戦え!」
「死しても甦って戦えと!!」
ハドラーを蘇生したミストバーンは、戦場に戻り、劣勢のフレイザードを助け、さらに最強の鎧を与えます。
しかしながら、ダイの完成したアバンストラッシュの前に、鎧を装備したフレイザードは敗れます。
そして、もう一度チャンスを願うフレイザードを、ミストバーンは足で踏みつけトドメを刺します。
ヒュンケルの考察通り、ミストバーンは同じ軍団長であるフレイザードを捨て駒として、ダイの力量を測っていたのだ。
中盤のミストバーンの言動
バランとの戦いが終わり、その後ハドラーが不意打ちに失敗した後、ミストバーンが再び動きます。
そもそも、この時点で魔王六団長として活動できるのは、実質ミストバーンだけ。
- 司令官ハドラーは行方不明
- ザボエラもハドラーと共に行方不明
- バランもダイと別れた後、行方不明
- クロコダインはダイメンバー加入
- ヒュンケルもダイメンバー加入
- フレイザードは死亡
ハドラーはバーンから与えられた最後のチャンスを逃し、行方が分からなくなります。
ミストバーンは行方不明になったハドラーとザボエラを見つけ出す。
おそらく当初の思惑は、チャンスを逃したハドラーを粛清するため。
しかしながら、ハドラーは強くなるために、魔族の肉体を捨て、超魔生物になることを決意!
ここで、初めてミストバーンの動揺が見られます。
そして、粛清どころか動けないハドラーに代わり、自分が戦うことを決意。
決意した表向きの理由はバーンのため。
最大の弱点である”おごり”を克服したハドラーは、必ず魔王軍最強の戦士となれバーンも喜ぶから。
ただ少なからず、より強くなるために、バーンに与えられた肉体を捨てる決断も、決意理由の1つ。
(この時点では、まだ判明していませんが、ミストバーンは自身を強くする行為に対し、憧れがあるため)
ミストバーンは、鬼岩城を自ら操作して、世界の要人が集まるパプニカに攻め込みます。
その際、レオナ姫や世界の指導者に対して、敵意剥き出しの言葉を放つ!
「…命令する……死ね」
「おまえたちには一片の存在価値もない。」
「大魔王バーン様の大望の花を汚す害虫だ……」
「降伏すら許さん……死ね!」
もう読者の中でも、完全な敵キャラ発言です!!
その後、ヒュンケルの登場により、鬼岩城から出て姿を現すミストバーン。
ヒュンケルは魔王軍を裏切り、主であるバーンに恥をかかせた要因であることから、ミストバーンにとって葬るべき存在(過去の汚点)です。
(ヒュンケルとミストバーンは師弟関係がある)
しかし、何故すぐに葬らなかったかは、終盤で発覚。
(ヒュンケルの肉体は、真の姿をバーンに返した時のスペアと考えていた。)
ここで初めてミストバーンの本格的な戦闘が見られる!
(実はかなり強かった!)
そして、ヒュンケルに不意を突かれ、ミストバーンの隠れた顔の一部が露呈。
顔を見られたことに対し、憤慨するミストバーン!
普段は冷静沈着だけに、憤慨する姿に驚くヒュンケル。
さらに、ダイが鬼岩城を完全破壊したことにより、怒りが頂点に達する。
怒りに身を任せ、自ら秘密のベールを脱ごうとするが、間一髪のところでキルバーンが止めに入り、ようやく冷静さを取り戻すミストバーン。
またキレる要因はバーンに対する失態であることから、バーンに対する絶対的な忠誠心も窺えます。
ダイと超魔生物化したハドラーとの戦いを見届けた後、ハドラーと共にバーンの元に向かうミストバーン。
ここで初めてハドラーが、ミストバーンを感謝の意を伝えます。
また、ハドラーはミストバーンの沈黙の仮面の下に流れる熱い魂に着目します。
「六大団長の中でオレへの誠意を一番見せてくれたのは、あるいはおまえだったのかもしれん。」
「おまえには、その沈黙の仮面の下に流れる熱い魂を感じずにはいられん…」
「おかげで最後に格好がついた……ありがとう!」
この場面以降、ハドラーとミストバーンに特段の関係が生まれます!
ちなみに、このやりとりの後、ハドラーはバーンに処刑される可能性があったことから、ミストバーンは内心、心配していました。
そして、その心配を察したキルバーンは、「心配ないよ」とミストバーンをフォローしています。
このことからキルバーンは、ミストバーンがハドラーに対して、特段の敬意を払っていることを見抜いています。
ハドラーがダイとバランを1人で戦う場面を、バーンと共に見届けるミストバーン。
実はこの戦い、超魔生物化したハドラーとはいえ、無謀過ぎる戦いであり、ミストバーンも”自殺行為”と評していました。
しかし、バーンの見解は違いました。
なんと、バーンはハドラーの体内に、黒のコアと呼ばれる爆弾を仕掛けていたのです!!
驚愕するミストバーンでしたが、負けた場合は黒のコアを発動されても仕方ないと割り切ります!
そして、ハドラーの負けが濃厚になると、ハドラーとバランの元に、黒のコアを発動させるために姿を現します。
ハドラーの「駒にすぎなかったのか」という問いに対し、
「大魔王様のお言葉はすべてを優先する!」
そう答えるミストバーン。
また、ここで初めて闇のベールを脱ぎ棄て、真の姿を見せます。
そして、黒のコアを発動!!
ハドラー(特段の敬意)とバーン(忠誠心・責務)が天秤にかけられたけど、ミストバーンはバーンを優先し、ハドラーを切り捨てたよ。
黒のコア発動するも、バランがダイを守るために、全生命力で黒のコアの力を抑え込んだことにより、ハドラーは生き残ります。
そして、ハドラーはダイ一味を助ける形でバーンの元に現れます。
バーンは、ハドラーを処刑しようとし、ミストバーンは、ハドラーの部下であるオリハルコン親衛隊に、公開処刑を見届けろと指示。
しかしながら、ハドラーは処刑を拒否。
己の力で死の淵から甦ったハドラーは、なんとバーンに刃を向けます!
そんなハドラーを逆上どころか、一瞬ながら魅入ってしまうミストバーン。
加勢したくても、ハドラーの部下のオリハルコン親衛隊が、どう動くか分からないため、この場面では傍観状態。
終盤のミストバーンの言動
終盤はバーンとの秘密や、ミストの正体などが判明。
相変わらず激情家です。
ヒュンケルとクロコダインの公開処刑に立ち会うミストバーン。
ここで、ヒュンケルを再び闇の戦士にするために計らうも、逆にヒュンケルのパワーアップに利用されてしまう。
更に秘密としている顔を殴られた事に逆上するミストバーン。
バーンの声を聞き、冷静さを取り戻し、ダイや他の仲間達に攻撃を仕掛けようとするも、同じ魔族であり、顔見知りでもあるロンベルクに止められてしまう!
ここで、二人の過去が発覚。
かつてロンベルクは、バーンの誘いを断りメンツを潰しました。
そのことに怒りを覚えるミストバーンでしたが、バーンになだめられ、その場は事なきを得ます。
しかしながら、その後、ロンベルクの元に現れ、攻撃を仕掛け顔に傷をつけます。
(ロンベルクもバーンの顔に泥を塗ったことは自覚しており、あえて攻撃を受けています。)
この攻撃は、バーンの意志(気長にゆっくり待つ)に反した、ミストバーンの独特の意志です。
主であるバーンのメンツを潰すものは、主の意志に反してでも、行動するあたりから、バーンへの忠誠心は本物だよ。
バーンの命令により、ミナカトールの場はザボエラに任せ、バーンパレスに戻り、再びダイたちの元に現れます。
ポップの「元六軍団長もおまえ(ミストバーン)以外は全滅で、いよいよ大詰め」発言に対し、
魔王軍結成以前からバーンを守りぬいてきたことを自負するミストバーン。
ミスト最終決戦へ突入し、物語もいよいよ佳境へ。
- ダイとレオナはバーンの元へ。
- アバンはキルバーンとの対決。
- ポップとマァムと、復活したラーハルトがミストバーンと対決。
途中でミストバーンの弱点である光の闘気であるヒムや、ヒュンケル達もミストバーン戦に参戦。
ヒムに追い詰められ、真の力(ベールを脱ぐ)の許可を、バーンにテレパシーで問うも、バーン自身もダイとの戦いに夢中で反応なし。
やむを得ず、今の全力で挑むもヒムに敗北。
ここで初めてミストバーンは、バーンの了解なく闇のベールを脱ぎ棄てる!
真の姿はチート級のため、誰も敵わない。
そんな中、ヒュンケルがバーンとミストバーンの真の姿から、真実を見抜く。
同時に、ミストバーンがこれまで無口であった理由も判明。
バーンは若さを保つために、若き肉体だけを分離してミストバーンに預けていたのだ。
しかしながら、ミストバーンが平然と話してしまうと、口調や発音から、バーンの秘密が発覚する可能性があったため、ミストバーンは無口になるざるえなかったのだ。
そして、参戦したアバンが真実をさらに解明。
ここでバーンから、若き肉体を返すように要求。
(ダイたちが想像以上に強かったことから、許可なくベールを脱いだお咎めはなし)
肉体を返還した後、ミストバーンの本当の姿(ガス生命体)が現れます。
ミストバーンの能力は、他者に寄生して操ること。
当初はマァムに寄生するも、本当の狙いであるヒュンケルに寄生します!
ここでミストバーンが、かつてヒュンケルを弟子にした理由が発覚。
ミストバーンが普段預かっている(憑依している)肉体はバーンの若き肉体。
そのためバーンに肉体を返還した際に、このうえない「武器(道具)」となる肉体を、一から育てるために、ヒュンケルを弟子にしたのだ。
バーンのメンツを潰したヒュンケルに対し、ミストバーンが粛清に消極的だったのは、ヒュンケルを「道具」として認識していたからである。
(バーンを裏切ろうが、ミストバーンにとってヒュンケルは、大事なスペアの肉体)
ヒュンケルに寄生したミストは、ヒュンケルの精神世界で、弟子にした本当の理由(スペアの肉体)を語りながら、魂(核)を破壊して完全たる人形にしようとします。
しかしながら、ヒュンケルはミストバーンが寄生相手に自分を必ず選ぶと直感で確信しており、あらかじめ光の闘気を集中させていたのだ。
最期はヒュンケルの精神世界で、光の闘気により消滅。
ミストバーンのキャラ紹介は、この辺りで目処をつけて、ここからは本題に入ります。
バランやハドラーと違い、最期まで敵役に徹したミストバーンだけど、実は人間味のある魅力も持っているよ。
ミストバーンの魅力その①:劣等感を真摯に受け止めている
えっ、あのミストバーンが劣等感!?
そう思う読者もいると想定されるほど、実は意外なことです。
ただ、ミストバーンの価値観を突き詰めていくと納得です。
ミストバーンの価値観とは?
ミストバーンの独特の価値観と言えば、戦士は敵味方関係なく評価すること。
登場後、最初に敵を評価したのがダイ。
味方であるフレイザードをアバンストラッシュで撃破した際に「素晴らしい」と一言。
また、鬼岩城でパプニカを襲撃した際には、
「おまえたちには一片の存在価値もない。大魔王バーン様の大望の花を汚す害虫だ……降伏すら許さん……死ね!」
地上に住む人間に対し、こんな暴言を吐くも、後にミナカトール攻防戦で善戦する人間を見て、
「思ったより骨のあった人間どもよ!」
「私は強靭な肉体と精神を持った者は、敵味方関係を問わず尊敬する」
「諸君らの活躍を、永遠に心に留めておくことを約束しよう!」
同じ人間にも関わらず、戦士(強靭な肉体と精神を持つ者)に対する評価は、完全に対の関係です!!
そして、この価値観の根本が「劣等感」なのです!!
なぜミストバーンは劣等感を抱くのか?
ミストバーンは他人の肉体に寄生する存在であるため、他人の肉体を奪えば簡単に強くなれます。
反面、自ら強くなることは出来ません!!
そのことに対して、強い劣等感を持っています。
「……そうだ 他人の身体を奪えば簡単に強くなれる」
「私にはできない事…」
「自らを鍛え強くなる事…!」
「それができる者は皆尊敬に値した!!」
「……うらやましかった……」
劣等感が強かったからこそ、自らを鍛え強くなれる者は、敵味方関係なく敬意の対象になります。
- バーンに敵対する戦士(ダイ・ポップなど)
- バーンを裏切った元軍団長(クロコダイン・バラン)
- バーンに刃を向けたハドラー
- ゴミ呼ばわりした人間
そして魅力的なのが、この劣等感に対して純粋に敬意を払えること!!
現実世界を見ると、敬意より妬みや僻みが先行することが見受けられます。
だからこそ、自身の劣等感を真摯に受け止め、素直に敬意を払えるミストバーンが、どこか純粋にも感じ取れます。
ミストバーンの魅力その②:バーンに対する絶対的な忠誠心
バーンに対する忠誠心は登場時から一貫しています。
そして、いかなる時もブレず、一点の曇りもありません。
ミストバーンの行動原理とは?
「大魔王様のお言葉は全てに優先する」
この言葉がミストバーンの行動原理そのものです。
たとえ、特段の敬意を払っているハドラーであっても、バーンのためなら敵対します。
キルバーンも、ハドラー達をバーンに代わり、自ら始末しにいく姿を見て、このような発言をしています。
「ハドラー君にはかなりご執心だったようだけど、さすがに天秤にかける相手がバーン様だと動きが早いね…!」
また、作中で何度か逆上するミストバーンですが、その大半はバーン絡み。
- 真の姿を見た
- 真の姿に触れた
- 真の姿を詮索した
- バーンのメンツを潰した
- バーンの前で失態を犯した
唯一の例外と言えば、過去のロンベルクの制裁。
バーンの「落ち着けミストバーン」のお言葉を無視して、バーンのいない場所で制裁を仕掛ける!
しかしながら、この暴走ともいえる制裁も、バーンに対する絶対的な忠誠心の表れとも言える。
絶対的な忠誠心があったからこそ、主を侮辱されたことが何よりも許せなかったのだ!
バーンに対して絶対的な忠誠を誓う理由は?
ところで、なぜミストバーンはバーンに対して、絶対的忠誠を誓っているのか。
ミスト最終決戦で、ミストバーンの本当の姿(ガス生命体)を披露した際に、理由が明かされます。
前述した通り、ミストバーンは自らを強くできない自身の肉体を呪っています。
自分が持っているものは「魂」と「他の生命体を捕らえて操る能力」
この2点だけです。
しかしながら、バーンはミストバーンの能力を高く評価します。
「バーン様は言われた!『おまえは余に仕える天命をもって生まれてきた』と!!」
「バーン様には私の能力が!」
「私にはバーン様のような偉大な主が必要だったのだ!」
「私はまだまだバーン様のために働かねばならん……!!」
魔界の神と呼ばれるバーンが、自身の能力(スキル)を必要としてくれた。
劣等感を抱く自分の存在価値を見い出してくれた。
だからこそ、バーンに絶対的な忠誠を誓っているのです。
現実世界でも、自身のスキルを認められると嬉しいものです。
- 役員からスキルを評価され、抜擢された
- クライアントからスキルについて絶対的な評価を得られた
- 学校一の美人が自分のスキルがきっかけで付き合ってくれた。
まして、ミストバーンの場合は劣等感を抱くスキルであったため、余計に嬉しかったのでしょう。
ミストバーンの魅力その③:ハドラーに対する特段の敬意
前述した通り、ミストバーンは強靭な肉体と精神を持つ者は敬意を払うが、ハドラーだけは特別に敬意を払っていました。
そう感じた場面は以下3つ。
- ハドラーがバーンに反旗する場面
- ザボエラがハドラーを卑下する場面
- ヒムがハドラーの生まれ変わりと発言した場面
①ハドラーがバーンに反旗する場面
前述した通り、ミストバーンはバーン絡みの逆上が多いです。
しかしながら、そんなバーンに無礼どころか、刃を向けたのにも関わらず逆上できなかった相手がハドラーです。
前述した通り、ミストバーンはバーンのことで何度か逆上しています。
その絶対的忠誠の存在であるバーンに対して、ハドラーは最大限の反逆行為をしたにも関わらず、逆上どころ一瞬、我を忘れて魅入ってしまうミストバーン。
「……ううっ…‼」
「す すごい!!」
「流星がその燃えつきる瞬間に最も明るく輝くようにっ・・・」
「今 死期を悟ったハドラーの力はとてつもない勢いだ‼」
ミストバーンが逆上しなかった理由は2つ。
1つは、ここで述べた通り、ハドラーが自力で更なる強さを手に入れ、自分が尊敬する主に匹敵する力を手に入れたこと。
もう1つが、ハドラーに対して後ろめたさがあったこと!
ミストバーンは、この反旗の前にハドラーの面前で、大魔王バーンを何よりも優先すると断言し、自らの手で黒コアを発動させ、ハドラーを切り捨てました。
また事の発端は、バーンがハドラーにも気づかれぬように、こっそりハドラーの体内に黒のコアを仕込んだこと。
そんなわけで、ハドラーが反旗を翻すのは、至極当然だとミストバーンも内心感じていたのでしょう。
②ザボエラがハドラーを卑下する場面
ハドラーは、ミストバーンの絶対的な忠誠者であるバーンに反旗を翻すが、それでもハドラーへの特段の敬意が消えることはなかったです。
根拠と言えるのが、ハドラー反旗後のザボエラとのやり取り。
ハドラーを卑下する発言に対し、ミストバーンが怒りを覚えます。
「カスがっ!」
「おまえごときにハドラーを卑下する資格はない…!」
ただ、この怒りは、ハドラーを卑下したことだけではありません。
ザボエラは、ハドラーの改造過程で体内に黒のコアが埋め込まれていることに気がついたのに、自分やハドラー自身に教えなかった怒りもあります。
(ミストバーンはハドラーVSバラン・ダイ戦で、初めてハドラーの体内に黒のコアがあることを知ります!)
ヒムがハドラーの生まれ変わりと発言した場面
ハドラー死亡後のお話。
ヒムは自分に命や闘気が宿ったのは、ハドラーの遺産だとミストバーンに言います。
その言葉に対してミストバーンが憤慨!
「笑わせるなっ!」
「人形風情がハドラーの生まれ変わりのような顔をするのはッ…」
「身の程を知らぬにも限度があるっ…!」
「このミストバーンの渾身の力をこめて…粉々に打ち砕いてやるぞっ!」
ミストバーンは作中に何度は逆上しますが、大半はバーン絡み。
しかし、ここではハドラーの生まれ変わりと言ったヒムに対して怒り!
- たとえ、バーンに反旗を翻しても
- たとえ、戦死した後だろうと
ハドラーに抱く感情は変わらないことが、ビシビシと伝わってきます!
③いつハドラーに特段の敬意を持ったのか?
物語序盤でミストバーンは、ハドラーに対し敬意は払っていません。
では、いつ特段の敬意を持ったのか。
おそらく、超魔生物化したハドラーと共にバーンの元に向かう場面の、このやり取りです。
バーンがミストバーンの「能力」を初めて認めてくれた存在なら、ハドラーはミストバーンの熱い「魂」を初めて認めてくれた存在です。
劣等感を抱くミストバーンにとって「認めてもらう」ことは、特別なことです!
まして、ミストバーンの場合は、口数も少なかったのに、ハドラーはミストバーンの内面を評価し、感謝の意を伝えています。
現実世界でも、
ルックスなど目に見えるものを評価されても嬉しいですが、
性格の一部など、目に見えない部分が評価させることも嬉しいもの。
なぜなら、目に見えないものを評価するためには、少なからず、その人自身の存在と本気で向き合う必要があるからです。
- バーンは評価したのは「能力」という目に見える存在。
- 対してハドラーが評価したのは「魂」という目に見えない存在
ハドラーはミストバーンの良き理解者でもあったことから、ミストバーンも敬意以上のものを感じるようになったよ。
ダイの大冒険【ミストバーン】の魅力まとめ
本記事ではミストバーンという、少しマニアックなキャラ紹介と、人間味のある魅力について説明しました。
ミストバーンの魅力をまとめると、
- 劣等感を真摯に受け止めている
- バーンに対する絶対的な忠誠
- ハドラーに対する特段の感情
この3つが、本作におけるミストバーンの魅力です。
ミストバーンのイメージは寡黙・不気味・強キャラ、そして最後まで敵役です。
そんなミストバーンだからこそ、ここで紹介した魅力が、より際立つのです!
そして、ミストバーンを誤解している人に一言。
ミストバーンの最期は、小物の悪役のような終わり方ですが、あれは作者や編集者の意図も入っています。
- 強キャラと思いきや、実は劣等感を感じている
- その劣等感も謙虚に受け止め、自分にないものを持つ者は敵味方関係なく称賛
- 自分の能力を評価してくれた相手(バーン)に絶対的忠誠
- 仲間(ハドラー)のために、本気で怒れる
- 揺るがない信念(大魔王さまのお言葉は全てに最優先)
こんな魅力あるキャラを倒しても、読者はカタルシスが出ないですよね。
だからこそ、ゲスな部分(ヒュンケルを弟子にした理由は道具)を全面に出しまくって、戦場を去ったのです。
(事実、対比として、弟子を”誇り”と例えたアバンは評価がアップ!)
この記事が、初読や再読のきっかけになったら良いなと思っております。
そして最後に朗報。
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ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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ここまで読んでいただき、ありがとうございました。