こんにちは、switchで子供と仲良く、FF12をプレイしていたcoco13世です。
今日は2006年の発売当初は低評価でしたが、時代と共に名誉を取り戻した、ファイナルファンタジー12の心に突き刺さる名言・名場面を紹介します。
FF12の名言・名場面は、場面の裏側を理解することによって、良さがより伝わってくるのが特徴です。
そのため、場面の裏側についても、惜しむことなく解説していきます。
- 1 FF12名言・名場面①:ジャッジマスターを―甘く見るなっ!
- 2 FF12名言・名場面②:だからこそ―あがくのだ
- 3 FF12名言・名場面③:守りたいものほど守れはしない
- 4 FF12名言・名場面④:きみらにも王家に仕える苦労がわかったようだな
- 5 FF12名言・名場面⑤:この物語の主人公さ
- 6 FF12名言・名場面⑥:でもね、亡くなった人たちの心は、もう動かないんだよ。何があっても、何をしても
- 7 FF12名言・名場面⑦:ただ、自由でありたいだけ
- 8 FF12名言・名場面⑧:すべてはソリドールのために
- 9 FF12名言・名場面⑨:歴史を人間の手に取り戻す
- 10 FF12名言・名場面⑩:どうせ逃げるなら、逃げ切ってみせんか。馬鹿者めが
- 11 おわりに
FF12名言・名場面①:ジャッジマスターを―甘く見るなっ!
レダス(ジャッジ・ゼクト)の最期のセリフ!
かつて首都ナブディスを、一瞬にして焼き尽くした「破魔石」。
その「破魔石」の源である「天陽の繭」が、今まさに暴発しようとしていた。
なんと、その威力はナブディスを壊滅した時の数千倍らしい!
大惨事を止めるため、アーシェとヴァンが、覇王の剣と契約の剣を握り、繭に近づこうとする。
しかし、繭から発する強烈なミストの風により、一歩踏み出すのも一苦労な2人。
そんな2人を止め、逃げることを促したのがレダス。
レダスは繭を破壊するために、一気に突き進み飛びかかる。
ヴァンが「レダス、無理だ―」と叫ぶが、
レダスは「ジャッジマスターを甘く見るなっ!」と返し、
天陽の繭を断ち切り、爆発と共に消え去った・・・
レダスは、2年前のジャッジマスター時代に、
自らが引き金となって、ナブディスを破魔石の力で、崩壊させた過去がある。
ナブディス崩壊後は帝国を抜け、バーフォンハイムで空賊となる。
それでも、ナブディスの一件は、許されぬ心の縛鎖となっていた。
そして、いつの日か、ナブディスに償いをしなればならないと考えていた。
そんな過去から、レダスは己の命と引き換えに繭を破壊!!
ナブディスの二の舞を防いだのであった!
最期に「ジャッジマスター」という言葉が出たのは、
レダスは、本作の作品のテーマである「自由と義務」の義務側のキャラである。
そして、レダスを縛る「義務」というのが「ナブディスへの償い」である。
だからこそ、最期のセリフで、
ジャッジマスターとしての最後の義務(ナブディスの償い)
を果たすために、空賊でなく、あえて「ジャッジマスター」という言葉を発したのである。
FF12はもちろん、FFシリーズの中でも、
その死に様はカッコよく、
また切ない場面でもあった( ;∀;)
作中で戦うジャッジマスターは、風貌とは裏腹に、どいつもこいつも弱かった。
ですが、レダスのおかげで、ジャッジマスターは強き存在だったと、認識させられたプレイヤーは、僕だけではないはず!
ありがとう、レダス!!
FF12名言・名場面②:だからこそ―あがくのだ
戦艦シヴァ内で対峙する、同志ウォースラの、
「なぜだバッシュ、お前なら現実が見えるだろう」
という問いに対する、バッシュの返しのセリフ!
ウォースラの言う「現実」とは、巨大戦艦を含む、帝国の圧倒的な軍事力のこと。
ウォースラは戦争敗北後の2年間、ダルマスカ解放軍の将軍として、アーシェと共に抗ってきた。
その中で、帝国との力の差を痛感していく!
そして、帝国と真っ向から挑むのは、現実的でないと考えたウォースラは、ジャッジ・ギースとの密談の中で、帝国に屈する選択を受け入れる。
勘違いしてはいけない!
ウォースラが、帝国に屈する選択を選んだのは、ダルマスカの未来を想ってのことであり、己の保身や欲望ではない!
そのことは、バッシュも理解しており、ウォースラ撃破後にフォローもしている。
だからこそ、ウォースラはバッシュに、
「お前なら現実が見えるだろう」
と自身の選択の同調を求めてしまうのが、さすがはバッシュ元将軍!!
「だからこそ―あがくのだ」
このセリフを躊躇なく言い切る(^^)v
バッシュは、二度祖国を滅ぼされており、帝国の力は十分に理解している。
それでも帝国に屈しず、(アーシェの)義に愚直な言動が、本当にカッコいい(^^)/
ここで「戦う」や「立ち向かう」でなく、
あえて、「あがく」という言葉をチョイスしたのも良い!
「あがく」という言葉から、現実は相当厳しいものであると、認識していることが伝わる!
そして、その厳しい現実の中でも、最後まで諦めずに挑み続ける、確固たる意志が伝わってくるからだ!!
FF12名言・名場面③:守りたいものほど守れはしない
ジャッジマスターのリーダー格、ジャッジ・ガブラスが、空中要塞バハムートで、バッシュに向かって言ったセリフ。
大灯台でも似たようなセリフを放つ。
「守るべきものほど守れずに失うとな!」
まず、このセリフを理解するためには、ガブラスとバッシュの過去の背景を、知っておく必要がある。
10年以上前、ガブラスとバッシュの兄弟は、祖国ランディスを帝国に滅ぼされている。
その後のガブラスは、母親を養うために帝国に流れる。
この時に、未来を守るためには、「力」が必要だと感じる。
そして、祖国を滅ぼした宿敵である「帝国」に仕え、ジャッジ・マスターまで登りつめる!
一方、バッシュは祖国ランディスを滅ぼされた後、ダルマスカに流れる。
そして、ダルマスカもまた、帝国に敗けてしまう。
ガブラスのセリフである、
「守りたいものほど守れはしない」
このセリフには中には「力無き者は、守りたくても守れない」意味が含まれいる!!
そのため、大灯台にて「力があっても、過去は変わらない」と悟り、「力」の象徴である「破魔石」を砕く、結論を出したアーシェに対し、
「だが力なき者に未来はない。何者も守れはしない」
と即座に反論する。
ガブラスにとって、守るべきものを、守るためには、
たとえ己の手を汚し、罪を感じようが、
「力」を手に入れることが「守る者の責務」だと認識している。
また、ガブラスが自分自身のことを「野良犬同然」と発言したり、「故郷を滅ぼした帝国に、尻尾を振って仕えた報いだ」というセリフから、自身の罪も感じ取れる。
ガブラス自身は「力」のために、己の手を汚し、望まぬ罪を背負う人生を歩んだ。
それにも関わらずバッシュは、祖国に続き、ダルマスカまでも守れなかったにのに、今もなお、己の信念を貫き通そうとしている。
このバッシュの信念を認めることは、これまでの自分の人生の否定になる!
だからこそ、バッシュに対し、激しい怒りを覚えたのである。
他にもガブラスの悲運として、同志ドレイスの粛清が挙げられる。
ガブラスは、グラミス皇帝の命令で、四男ラーサーの盾役の任務の他に、三男ヴェインの監視を行っていた。
しかし、グラミス皇帝死亡の際、ヴェインはガブラスに命じる。
「主人を変えたいならジャッジマスターとしての責任を全うせよ」
この場面での、ジャッジマスターとしての責任とは、ヴェインに刃向かった、同志ジャッジ・ドレイスの粛清である。
ガブラスは、ラーサーの未来を守るため、苦汁の決断(自身の手でドレイス処刑)をさせられるのだ!
ちなみに、ジャッジ・ドレイスとは、共にラーサーを守ると、堅く誓った仲であった。
また大灯台では、ガブラス自身の暴走により、シドに「ラーサーの護衛の任」を解かれ、守るべきものを失う。
このようにガブラスは、守るために「力」を手に入れたはずなのに、
同志も、守るべき存在も、手から離れ落ちてしまう。
一方バッシュも、二度の帝国との敗戦で、「守りたいものほど守れはしない」ことを痛感している。
それにも関わらず、今も自分を見失わず、アーシェを守るその姿に、ガブラスは疑問と怒りの感情が爆発する。
そして・・・
「守りたいものほど守れはしない。」
このセリフと共に剣を抜き、バッシュ一同と、最後の闘いを望む。
祖国を滅ぼされ、その後は別の道を歩むも、
守るべきものために戦ってきた、2人の兄弟。
この兄弟のやり取りは、FF12の中でも、心に刺さる名場面であった!
また、ガブラスが、セリフと共に剣を抜いた姿が、FF12のパッケージ画像であることも相まって、カッコいい場面でもあった!
他にもガブラスがバッシュに対し、怒る要因がある。
「バッシュが故郷と家族を捨てたことが許せない」
これは、ガブラスの私的な感情である!
しかし「義務」の象徴であるガブラスの、人間味の部分が見れたという点ではプラス評価。
この名場面の「守りたいものほど守れはしない。違うか!」に対し、
「お前の問いに答えるのが兄としてのつとめだな」
この真っ向から、ガブラスの迷いや怒りを受け止めるバッシュも、相変わらずカッコいい!!
製作者側も、このシーンに力を入れており、パッケージ画像の他に、戦闘中にもカットシーンも導入していた。
FF12名言・名場面④:きみらにも王家に仕える苦労がわかったようだな
帝都に着いた際、パンネロとヴァンの会話のなかで、バッシュが割り込んで言ったセリフ。
パンネロが、自国の王女アーシェや皇帝候補のラーサーに会える機会なんて、一生ないと思っていたという発言に対し、
ヴァンが同意をしつつも、
「たまについてけないけど」と笑いながら返答。
そこに、すかさずバッシュが、ヴァンの肩に手を回し、ヴァンとパンネロに、嬉しそうに言う。
「きみらにも王家に仕える苦労がわかったようだな」
そしてパンネロが、冗談ぽく、
「そんなこと言っていいんですか?」と返されると、困った顔でごまかすバッシュ。
そんな会話のやり取りを見て、微笑むアーシェと、そのアーシェを後ろから眺める、バルフレアとフラン。
FF12は仲間同士が希薄であり、またストーリーも渋く、冗談を入れるシーンは、ヴァンの空気を読まない発言ぐらい(゚∀゚)
ヴァンやアーシェに、激しく憎まれていたバッシュが作った、この和やかな場面は貴重である。
仲間同士でも、序盤はピリピリ(特にアーシェ)していた。
だからこそ、冒険の中で仲良くなったことが伝わるこの場面は、何気ない場面にも関わらず、心に刺さる場面でもあった。
この頃には、バッシュの疑惑も完全に晴れ、ヴァンもアーシェも、バッシュを仲間として、ごく自然に認めている感じになっていた。
ところで、バッシュの和ませ発言は、意外と本音だと思われる。
感情的になりやすいアーシェを支えるのは、並大抵ではないのが、プレイの中から伝わってくる!
もしアーシェが会社の上司だったら、間違いなく飲み会の場で、
「きみらにもアーシェ部長の下で働く苦労がわかったようだな」
と愚痴る自信あり(‘◇’)ゞ
ある意味、2年共にしたウォースラは神!!
FF12名言・名場面⑤:この物語の主人公さ
ヴァンがバルフレアに「あんた誰だ」と聞いた際のバルフレアの回答。
当初は、よくいる主人公気取りのお調子者キャラと思いきや、物語を通じて、名言やカッコいい場面を連発させてくれる!
エンディングでは、過去作品の主人公達にも負けないぐらい、主人公を演じてくれる!
実は主人公の必要条件も、下記の通り満たしているのだ。
- 秘められた過去がある。
- 父が物語のキーパーソンである。
- ストーリーの核心部分に携わっている。
①はFF7の元ソルジャーのクラウドと、似た境遇である。
クラウドも秘められた過去があった。
バルフレアも、実は帝国の重要人物である、ドクターシドの三男であり、かつてはジャッジも務めていた。
②はFF5のバッツ、FF8のスコール、FF10のティータと似た境遇である。
主人公の父は、味方サイドでも、敵サイドでも、物語に大きく関わっていることが多い。
バルフレアの父シドも、FF12の重要人物の1人であり、最後には親子の感動場面も用意されている。
③はこれまでの主人公の要件の1つ。
FF12では「破魔石」に、序盤から終盤まで、振り回される。
この「破魔石」と関係性が強いのが、アーシェとバルフレアである。
他にも声優が、パイレーツオブカリビアンのジャックスパロウ役の方であることも相まって、更なる主人公補正が掛かる。
そういえばバルフレアとジャックスパロウ、どことなく似た雰囲気も感じるような・・・
一度でも、FF12をプレイすれば、
「この物語の主人公さ」
このバルフレアのセリフが、冗談でないことを、間違いなく痛感する!
約束しても良い(゚∀゚)
そしてFF12の主人公ヴァン・・・
彼が空気と呼ばれる要因が、バルフレアであることも知ることになる!
FF12名言・名場面⑥:でもね、亡くなった人たちの心は、もう動かないんだよ。何があっても、何をしても
一同は、大灯台の最上階にある、天陽の繭を目指していた。
その道中にヴァンが、アーシェが「破魔石」を使って、帝国への復讐をするのか、パンネロに問いかけた。
その問いに対する、パンネロの回答が、このセリフとなる。
パンネロも、ヴァンやアーシェ同様に、戦争で大事な人を失くしている。
このことから、復讐を願うアーシェの気持ちも分かっている。
しかしヴァンやアーシェと違い、パンネロは物語の最初から復讐に囚われていなかった。
その答えが、まさにこのセリフである。
物語の中で「死者のための復讐」に対する答えを見つけた、ヴァンやアーシェ。
一方、パンネロは物語開始時から、復讐に対する答えを見つけていた。
このセリフの後にアーシェは、大灯台の最上階で、復讐を誘う、亡き夫の幻影に対し
「あの人はもう─いないんだ。」
このセリフと共に、剣で幻影を断ち切る!
ヴァンも、兄を死に追いやった、張本人であるガブラスの、
「死んでいった者たちの恨みはどうなる!」
このセリフに対し、
「何も変わらないんだ、兄さんの恨みなんか晴れない」
「兄さんはもうーいないんだ」
力強く、ガブラスの疑問に答える!
大灯台では、最上階のイベントが、メインキャラによる名シーンの連続である!
そのため、このパンネロの名言は逃しやすい。
しかし、「過去との決別」も、テーマとしているFF12において、派手さはなくも、心に突き刺さるセリフであった。
これまでの作品だと、死者が主人公達を導いたり、背中を押してくれたりした。
対してFF12は、これまでとは一転する。
「亡くなった人たちの心は、もう動かないんだよ。何があっても、何をしても。」
このセリフは非常に現実的で、死者が奇跡や感動を起こす、多くのゲームとは対照的だった。
「何があっても、何をしても。」と念押ししていることから、
「死者の奇跡」を全否定した、現実主義のセリフとも読み取れる!
よく、「亡くなった人はこんな事望んでいない!」と言ったセリフを見かける。
しかし、このセリフの真意は、
生者やその周りが望む事を、あたかも死者も望んでいると、都合よく解釈しているのに過ぎないのだ。
FF12名言・名場面⑦:ただ、自由でありたいだけ
空中要塞バハムートで、ヴェインの問いに対し、アーシェが発したセリフ。
FF12のメインテーマ「自由と義務」における、アーシェの最終結論とも言えるセリフ(^^♪
物語序盤からアーシェは、ダルマスカを滅ぼされた屈辱や、亡くなった死者のために、自分に帝国への復讐を課せていた。
序盤では、破魔石による、戦艦リヴァイアサンの惨劇が起きる。
その現場を目の当たりにしたにも関わらず・・
「私の刃は破魔石です。死んでいった者のため 帝国に復讐を」
こんなセリフを発するほど、復讐や力に執着していたのだ。
また物語後半でアーシェは、神に近い存在であるオキューリアから、帝国を滅亡させ、正しき歴史を導く、聖女としての役割も課せられる。
ヴェインは、そんなアーシェを知ったうえで質問をする。
「ひとつお尋ねしたい。」
「あなたは何者だ?」
「亡国の復讐者か?あるいは救国の聖女か?」
その問いに対する答えが・・・
「どちらでもないわ。」
「私は私──」
「ただ、自由でありたいだけ。」
「死者のための復讐」や「正しき歴史を導く聖女」は与えられた役割。
そのような役割を、こなすのではなく、自分の意思で行動したい意味である。
決して、あらゆる義務を放棄して、自由になりたいという意味ではない。
FF12のメインテーマである「自由」に対し、アーシェは「自分の意志で行動すること」を答えとした!
FF12は「義務」に課せられたアーシェが、「自由」を手に入れる過程を、見ていくゲームでもある。
そして「自由」を手に入れるための最後の障壁が、「義務」の象徴とも言えるヴェインなのだ。
ヴェインの「義務」については後述する。
FF12名言・名場面⑧:すべてはソリドールのために
ヴェインが、父グラミス皇帝殺害(事実は自殺)事件の際に、亡き父の手を取りながら発したセリフ。
このセリフこそが、ヴェインやグラミス皇帝の行動原理でもある。
敵対する元老院が、ソリドール家を排除しようと、思索していることを、ヴェインは病床の父グラミスに告げる。
そして「ソリドールのため」には、どのような行動が最適なのか、ヴェインはグラミスに示唆する。
ちなみに、ここでいう最適な行動は、グラミスが毒による自殺を図り、それを元老院の仕業として、元老院を一気に排除する、命を使った策略のこと!
ヴェインの示唆に戸惑うグラミス皇帝。
「白い手の者(四男ラーサー)に代わり、その手を汚すか」
このグラミスの問いに対して、
「すでに血に染まっています。」
「ならば最後まで私が」
迷いなく回答するヴェイン。
そしてグラミスは、上空を見上げながら・・・
「すべてはソリドールのためにーか」
このセリフと共に、グラミスは自分の死を持って、元老院を排除する決意をする!
そして、亡きグラミス皇帝の手を取りながら
「すべてはソリドールのために」
この発言の背景には、父への敬意と、自身の決意がある。
敬意とは、父グラミス皇帝が、ソリドールの未来のために、意義ある自殺を決行したこと。
決意とは、ヴェインが今後も迷いなき「ソリドールの剣」として、役割を果たすこと。
「自由」と対する「責務」の象徴であるヴェインには、2つの行動原理がある。
「すべてはソリドールのために」
「歴史を人間の手に取り戻す」
実際にプレイしていても、ヴェインは、この2つの責務を、忠実に果たしている。
ただ、この2つの責務を果たすために、主人公ヴァンやアーシェの故郷ダルマスカを滅ぼしている。
また、他にも・・・
覇王の末裔に与えられた「破魔石」を奪う!
自分の父や兄弟を死に追いやる!
戦争を仕掛ける!
ヴェインの行動は、周りの人々の「自由」を奪っていることから、FF12において敵認定されたのである。
話は少々脱線するが「ソリドールのために」非道な行動を起こすヴェイン。
そんなヴェインも、見方によっては、悲運なキャラとも言える。
兄2人を粛清し、周りから冷酷非情なイメージを持たれる。
実際は、グラミス皇帝の命令だが、命令の真意は不明。
自身の権力欲のため、父をも殺害
実際は、弟ラーサーの障害となる元老院を排除し、欲でなく、ソリドールの未来のために、権力を掌握。(実際は他殺でなく自殺)
反旗を翻したジャッジ・ドレイスの粛清を、ガブラスに命じる。
ガブラスの同志であるドレイスを、ガブラスの手で粛清を行わせることで、ガブラスの「ラーサーを守る」という責務を、より堅固にする狙いも見受けれる。
ラーサーが、手を汚さずに皇帝になれるように、自身が徹底した汚れ役を受けるヴェイン。
それにも関わらず、最後には、弟のラーサーに剣を向けられる。
ラーサーが清廉潔白でいられるのも、ヴェインがラーサーの分まで、汚れ仕事を処理しているからに他ならない。
それなのに、張本人ラーサーから剣を向けられ、怒りの感情が出てもおかしくないが、「頼もしいな」と感心!!
あれっ、ヴェインって本当に悪い奴?
また、似たようなキャラとして挙げられるのが、
「ベオルブのために」に手を汚してきた、FFTのダイスダーグ。
ダイスダーグも弟に剣を向けらるが、こちらは必死に弁明!
このときのダイスダーグのセリフも貼っておく。
おまえがそうやって剣を振れるのは誰のおかげだと思っている!?
英雄と呼ばれるのは誰のおかげだ!
すべてこの私だ!
この私が手を汚しているおかげで、おまえはその立場にいられるのだ!
感謝されることはあっても、おまえに恨み言を言われる筋合いなどないわッ!!
ヴェインとダイスダーグ・・・・
どちらも、家系のために行動を起こし、
時には汚れ役も引き受け、
時には冷酷な選択も取る!
これらの共通点から、同列に見られるが、ダイスダーグとヴェインでは、器が全然違う!!
最期は自らに課せられた義務(すべてはソリドールのために)に殉じる。
しかし、製作者の計らいで、「名誉の戦死を遂げられた」ことにされる。
ラスボスが名誉の死って、FFシリーズでは初ではないか(゚∀゚)
ヴェインはラスボスなので、人間的な感情を全面に出すと、撃破したときにプレイヤーが、カルタシスを味わえない!!
こんな理由から、製作者側の意図で、冷酷非道なキャラにされてしまったみたい(>_<)
FF12名言・名場面⑨:歴史を人間の手に取り戻す
ゲームのタイトルに、ぴったりなキャッチフレーズ(^^♪
実はこのセリフ、敵役シドの口から聞くセリフである。
また、シドと世代を越えた友人である、ヴェインの行動原理とも言える。
シドの他に、ヴェインに心酔するジャッジ・ベルガも、このセリフを発します。
個人的にはジャッジ・ベルガのセリフは好きだ(^^)v
笑わせるな!人造破魔石は人間の力だ。
神々に挑む大志を抱いた人間が・・・
その知恵でつくりあげた人間の武器!
真の覇王にふさわしい剣だ!
与えられた破魔石に頼りきっていたレイスウォールなど、偽りの覇王に過ぎんわ!
見ておれ!やがて全イヴァリースに、真の覇王の名がとどろく!
神々の意思を打ち破り、歴史を人間の手に取り戻す。
その名は、ヴェイン・ソリドール!
あのお方が築く歴史に、ダルマスカの名は不要!
レイスウォールの血筋ともども、時代の闇に沈めてくれるわ・・・
残念だったのが、このようなカッコいいセリフとは裏腹に・・・
ジャッジ・ベルガが弱いこと!!
人造破魔石の凄さを引き立てるためにも、FFTのウィーグラフやエルムドアのような、凶悪な強さにするべきだった!
あっ、ウィーグラフはさすがに言い過ぎでした(‘◇’)ゞ
シドが「歴史を人間の手に取り戻す」ことを、決意したきっかけは6年前。
ヤクト・ディフォールで、オキューリアの異端児ヴェーネスと邂逅したことである。
ヴェーネスはシドに、オキューリア達が「破魔石」を用いて、これまでの歴史を、影で操作していたことを伝える。
「歴史は人間が築くもの」
この言葉が持論であったシドは、ヴェーネスの教えてくれた事実に憤慨!!
以後、「歴史を人間の手に取り戻す」ために「破魔石」を手に入れるべく、
ダルマスカやナブラディアを襲撃したり、
「破魔石」の測定を試みて、想定外とはいえ首都ナブディスを崩壊させてしまう。
そして最終的には、この難題を成し遂げる!!
シドやヴェインの「歴史を人間の手に取り戻す」という、己に課せた「義務」のために、祖国ダルマスカを滅ぼされたアーシェ。
皮肉にも、このアーシェが「過去の束縛」「救国の聖女」からの解放という「自由」を手に入れるため、「破魔石」の源である「天陽の繭」を破壊したことで、シドの願いを叶えてしまう。
「天陽の繭」を砕くことが、「破魔石」の歴史を終わらすことでもあった。
見方によっては、アーシェも「歴史を人間の手に取り戻す」ことに一役買っている。
アーシェは「破魔石」によって、歴史が導かれていた事実を、旅の中で知った。
そのうえで、「破魔石」の力を捨て、「天陽の繭」を砕く決断をしたからだ!
歴史を人間の手に取り戻す!
この言葉は、FF12を語るうえで、外せないキーワードなのだ!!
FF12名言・名場面⑩:どうせ逃げるなら、逃げ切ってみせんか。馬鹿者めが
大灯台最上階で、主人公達との闘いに敗れたシド。
そして消滅を迎える間際に、実の子であるバルフレアに対して発したセリフ。
バルフレアはシドの計らいによって、かつてはジャッジの職についていた。
しかし、6年前のヤクト・ディフォールに出向いた以降、シドは「破魔石」に心を奪われてしまう。
心を奪われた父親を見て、自分の父親とも思えなくなってしまったバルフレアは、その場から逃げだす。
そして、空賊の道に進んだ、過去があったのだ。
しかしながら、逃げたはずにも関わらず「破魔石」の運命に引き寄せられて、シドの前に再び姿を現すバルフレア。
そして「破魔石」の運命により、アーシェに同行したバルフレアは、シドの「オキュリーアから歴史を取り戻す」戦いも巻き込まれてしまう!
そんな「破魔石」によって、振り回されているバルフレアを見て、シドは最期にバルフレアに話す。
「どうせ逃げるなら、逃げ切ってみせんか。馬鹿者めが」
この時のシドの表情は「狂気の科学者」でなく「父親」であった。
シドは最期に「空賊バルフレア」の生き方を肯定する、エールを送ったのだ。
シドは心のどこかで、自分の理想をバルフレアに押し付けたことに対し、
そして、破魔石やオキューリアとの戦いに、巻き込んでしまったことに対し、負い目を感じていたのだろう。
だからこそバルフレアに、「(過去から)逃げ切ってみせろ」と伝えたのだろう!
この話が切ないのは、シドの元から逃げたはずのバルフレアも、どこかでシドを信じていたことだ。
例えば、ドラクロア研究所のシドの机の上の資料を見つめながら
「─あれから6年か」
「何があんたを変えたんだ?」
と呟いたり、
ギルヴェガンで、オキューリアの存在や、シドの変貌の真相を知った後、
「おかしくなったんじゃなかったんだ。」
この、どこかホッとしたような言いぶりや、
完全にシドが変貌してしまったと、頭では理解しつつも
「そいつ(ヴェーネス)が、取り憑いていたんだな」
とあえて問いていたことから、
父親を信じたいバルフレアの気持ちが、セリフにも何回か現れている。
また、この「どうせ逃げ切るなら、逃げ切ってみせんか」というセリフの考えさせられるところが、
シドと対峙する前にフォーン海岸で、
「だから終わらせる。過去に縛られるのはもういい。」
過去と向き合って、自由になる!
このバルフレアの決意に対し、シドの最期の言葉は、
過去から逃げ切って自由になれ!
このように、1つの問いに対しも、答えが異なるのが、FF12の特徴とも言える。
一見すると、FF12は「破魔石」の力を求めることに、葛藤するアーシェを描いている。
しかし、別の角度から見ると、「破魔石」から逃げ切れなかった、バルフレアの物語でもある。
やはりバルフレアは、この物語の主人公だった(゚∀゚)
おわりに
FF12は物語をプレイヤーに委ねており、考察を楽しむ作品でもあります。
故に、1つの場面や言葉においても、複数の捉え方ができます。
なので、ここで挙げた10の名言・名場面も、人によってはスルーしたり、真逆の感想だったりもします。
FF12は敵も味方も、多様な価値観があります。
加えて、政治や義務といった重たいテーマがのしかかる大人向けのストーリーでもあります。
そのため、子供時代にプレイした人も、大人になって改めてプレイしてみると、当時はスルーしていた部分に、心を打たれたりもします。
興味を持たれた方は、是非、再プレイしてみてください。
特に子ども時代以降、プレイされていない方は、新たな発見が期待できます!
長文ながら、ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
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