ライブ・ア・ライブという埋もれた名作を紹介しよう




スクウェア:1994-9-2

難易度:平均C(各シナリオにより異なる)

やりこみ度:B

クリア回数:3回

こんにちは、SFCゲームが大好きなcoco13世です。

今日は今から20年以上前にスクウェアが発売した異色のRPG「ライブ・ア・ライブ」についてお伝えしたいと思います。

本作品が発売した時期の直近半年のスクウェア作品は94年4月に発売したナンバリング大作であるファイナルファンタジーⅥと、95年3月に発売予定であったファイナルファンタジーシリーズの坂口博信とドラゴンクエストシリーズの堀井雄二・鳥山明が手を組んだクロノトリガーであったため、残念ながら埋もれてしまいました。

もちろん本作品においても小学館とのコラボでシナリオごとに違う漫画家が描いたことから事前の知名度はありましたが・・・売上本数は上記2つの10%強程でした。

しかしながら、本作品のファンは今もなお非常に多く、20年の時を超えて移植もされました。

ライブ・ア・ライブは一体何者なのか。

ネタバレ有でゲームの内容や感想を述べていきます。

7つのシナリオ

オムニバス形式のシナリオが7つ用意されています。

各シナリオは時代も世界も異なるだけでなく遊び方も異なります。

この点が複数の主人公から1人を選択できるロマサガ1や3、サガフロンティアとの大きな違いだよ。

功夫編(伝承)

所は中国、大志山という山に拳法使いの老人がいた。
年老いてきた彼はその拳法を受け継ぐ若者を探す・・・・
3人の弟子を探し出し体力・速度・力の修行を行う。
どの弟子が後継者となるかは老師の修行のつけ方しだい。

主人公は自身の流派を継承する者を探す老師。

老師はかなり強いため戦闘に慣れる意味では初心者にお勧めのシナリオです。

シナリオも簡単で次にどこに行けば良いか迷うこともありません。

前半は弟子集めと育成、後半は街で悪さをする憲法集団・義破門団との戦いになります。

育成は老師が一番注力したものだけが残り、他の2人は殺されてしまうので注意しましょう。

弟子のお勧めは素早さが高いレイ・クウゴがお勧め。最終編主人公唯一の女性キャラにもなる。

シナリオボスは義破門団の総帥オディワン・リー。

老師と生き残った弟子が義破門団の道場に乗り込み、最後は老師に託され弟子とオディワン・リーと一騎打ち。

同門も信頼しないで得た強さのみを追及するオディワン・リーを心の強さに重きを置く弟子が打ち負かす良い話です。

現代編(最強)

世界に点在する、あらゆる格闘技の奥義を身につけ
『最強』の座を手に入れようと野心をする若者の激闘!
ムエタイ・プロレス・ルチャ・骨法・サンボ・スモウ・・・・
すべての格闘技の必殺技を、その肉体で受け習得するのだ!

主人公は最強を目指す知力がいまいちな青年。

現代編ではマップ移動はなく6人(順不同)と1対1で闘い、その中で敵の技をラーニングでしてシナリオボスである7人目と戦う戦闘のみの話です。

レベル上げによるステータスアップはできなため、6人の戦う順番とラーニングが重要になってきます。

シナリオボスは最強を目指すオディ・オブライト。

相手の命を絶たずして真の勝利はないと断言するオディ・オブライトは主人公が戦った6人を倒すだけでなく命も奪う。

オディ・オブライトの行為を「てめえがやってるのは格闘技じゃない、ただの殺戮だ」と言い放ち、6人から得た必殺技と怒りでオディ・オブライトを撃破する良い話です。

本部のじーさんの奥義だけでクリアできるというツッコミはなしだよ。

SF編(機心)

地球にむけて航行中の貨物輸送船コギトエルゴスム。
その中で今、新たな生命が生まれつつあった・・・
船内で次々と起こる事件・・・・
メカニックのカトゥーに作られたばかりのロボットも乗組員達と共に巻き込まれて行く。

主人公は乗組員カトゥーに作られたロボット。

現代編とは異なり戦闘は一回だけ。コギトエルゴスム船内の移動と会話が主体である。

次々と乗組員が犠牲になり生存者も疑心暗鬼に陥るSFホラーサスペンス です。

特に中盤のベヒーモス徘徊はトラウマとして名高いです。

シナリオボスは宇宙船コギトエルゴズム号を管理するマザーCOMの本体OD-10。

思考型プログラムOD-10は船内の調和を目的としている。

OD-10は船内の人間の言動から、人間は船内の調和を乱すものと判断し、ベヒーモスを檻から放ったりコールドスリープの電源を落としたりして船内の人間を排除してきます。

終盤で一連の犯人がOD-10と判明するが、この時点で生存者はカトゥ―、ロボット嫌いのダース伍長、主人公しかおらず、カトゥ―も傷を負ったことから伍長と2人で行動することとなります。

戦争でロボット達に仲間を殺された伍長はロボットを嫌っていたが、終盤ではロボットである主人公と力を合わせ、「人間はな人殺しの道具を作っているばかりじゃないんだぞ!!」とOD-10の導いた答え(人間の排除)を否定する良い話です。

西部編(放浪)

アメリカ大陸 西部開拓時代。
放浪を続ける おたずね者が無法者達におびやかされるサクセズ・タウンにおとずる・・・・
ワナの材料を探し町の人々と協力してしかけ無法集団クレイジーバンチの襲撃をむかえ撃つのだ!

主人公は一匹狼のガンマン。

戦闘はSF編同様にボス戦のみです。

総勢15名の無法集団クレイジー・バンチは鐘の音が8回鳴るとサクセズ・タウンを襲撃してくるため、それまでに住民と協力して罠を張り、ボス戦の敵を1人でも多く減らすのが目的です。

罠をどの住民に指示するかはプレイヤーが選べるため、住民の性格や特性を把握することが求められます。

シナリオボスはクレイジー・バンチの指揮官O・ディオ。

罠で手下たちを減らしておかないとボス戦は厳しい戦いになります。

自分達の街を主人公達に任すだけでなく罠という形であるが一緒に戦い、また主人公も街の人達に「人を守ることの大切さ」を今一度教えられる良い話です。

原始編(接触)

はるか昔の原始時代。
キビし〜い長老のもと相棒のゴリと気ままに暮らす少年が、かりを許される年になった日・・・・
会話のない時、代人は強い嗅覚を持っていた。
においをかぐ事で 獣の居場所や危険などを知る事が出来たのだ。

主人公は村長に育てられた原始人の少年。

まだ言葉がない世界のためコミュニケーションは動作のみで行われる。また主人公の移動時固有技として匂いを嗅ぐがある。

7つのシナリオの中でギャグ要素と下ネタ要素が一番強い。

またシナリオ自体のボリュームも多く、他部族の女の子に恋をしたり、他部族の戦士と争いになったり、好きな女の子が恐竜の生贄になったりします。

シナリオボスは恐竜お~でぃ~お~。

終盤で恐竜お~でぃ~お~の生贄の場に落下する主人公と相棒のゴリ、好きな女の子、敵部族の族長とリーダーの戦士。

真っ先に逃げ出した敵部族の族長は恐竜の餌食に。いがみ合っていた敵部族の戦士と力を合わせ恐竜を撃破。この事がきっかけで敵部族とも和解する良い話です。

幕末編(密命)

時は幕末
この天地動乱の時代にも影ながら生き続ける「忍び」に密命が下った・・・・
敵の城へ潜入し数々の敵や からくりを突破しとらわれの人物を救出せよ!
なるか100人斬り!?

主人公は歴史の影に生きる炎魔忍軍忍者の若き忍者。

移動マップは尾手城のみであるがトラップなどもありアクションスキルも問われます。

また城内も複雑であることから初心者が最初に選ぶのはお勧めしません。

目的自体は要人救出と大名・尾手院王の打倒のみだが、100斬りの他に0人斬りも可能であったりFF5のオメガや神竜をモデルとした凶悪な強さを持った敵とも戦えたりとやり込み要素や隠し要素も多い。

シナリオボスは大名・尾手院王。

日本を支配するために人であることもやめた尾手院王を、人の道に目覚めたおぼろ丸と未来を夢見る囚われた要人(龍馬)が倒す良い話です。

※幕末編は行動次第で結末が変わってくるので詳しいことは省きます。

近未来編(流動)

今よりちょっとだけ未来。超能力を持つ少年がいた。
人々の本音を見すぎケンカにあけくれる日々だったが・・・・
人の心を読む事が出来る読心能力を持っている少年・・・・
はたして古代ロボット魔神ブリキ大王は復活するのか!?

主人公は人の心を読むことができる超能力者でもある孤児。

癖のあるシナリオが多い中で最も一般のRPGに近いです。

シナリオボスは日暮里の寺に置かれている巨大な仏像である隠呼大仏に降臨した御出居という名の神。

近未来編の敵である雲龍教祖、科学者シンデルマン、陸軍総帥のヤマザキは暴走族クルセイダーズを利用し攫ってきた一般人を液化して作り出した“液体人間”(2000人分・60000リットル)を注入することで、御出居様の降臨した隠呼大仏を動かし、穢れた現世を救うという恐ろしい計画を企てていた。

対抗するためには巨大戦闘ロボット「ブリキ大王」に頼るしかなかったが強大な精神エネルギーを要することから誰も動かせなかった。

しかし主人公の兄貴分である無法松がマタンゴという精神増強剤を大量に摂取し極限まで精神力を高めブリキ大王を起動させる。

しかし最後には力尽きてしまう・・・。

実は松の過去はクルセイダーズのリーダーであり機動隊であった主人公の父とは敵同士であり父を殺した張本人だったのである。

そして、その後は罪滅ぼしのために陰ながら主人公達を助けていたのだ。

松の過去を心を読んで父の死の真相を知った主人公であったが、松を憎むことなく遺志を受け継ぎ、主人公の増幅した念力でブリキ大王を動かし敵の軍を蹴散らし切り札の隠呼大仏を撃破。最後は雲龍教祖、科学者シンデルマン、陸軍総帥のヤマザキも2000人の液体人間に飲み込まれるとても良い話です。

ブリキ大王起動の一連のイベントは本作品の中でも特に名場面だよ。

8番目のシナリオ

7つのシナリオをクリアすると8番目の中世シナリオを選ぶことができます。

ライブ・ア・ライブの真髄は間違いなく、この中世シナリオであり、7つのシナリオだけであればこの作品は程々の評価で終わっていたでしょう。

中世編(魔王)

西の山に勇者有り・・・・
強き心 強き力を持ち 勇ましき姿となりて・・・・
魔王を打ち砕かん・・・・
東の山に魔王あり・・・・
邪悪な心 邪悪な力を持ち 邪悪な姿となりて・・・・
全てを憎むものなり・・・・
スベテヲニクムモノナリ・・・・

中世編は物語の経緯が重要なのでシナリオを前半と後半に分けてじっくり説明します。

シナリオ前半

舞台は中世のルクレチア王国。

中世、勇者、魔王、姫とRPGの王道です。また敵もランダムエンカウントであり本作品で最も王道のRPGのです。

物語は王国武闘大会で主人公である剣士オルステッドと親友の魔法使いストレイボウとの決勝戦から始まる。

試合の前にストレイボウは主人公に言います。

遠慮はなしだ。

友達だからといって・・・

手加減などしたら許さんからな。

結果は主人公が勝利するもストレイボウも称賛。

優勝者には王様の娘であるアリシア姫と結婚が約束され、次期王となる主人公とアリシアのための宴が始まる。

宴の夜に城のテラスで2人きりなった主人公とアリシア。

アリシアは主人公に言います

誰よりもあなたを信じます

意図せぬ婚約にも関わらず主人公の事を信じますと言い切るとは、良い姫じゃないか!

しかしアリシアと主人公が抱き合っているときに突如魔物が現れ、アリシアが攫われてしまいます。

王様の話から犯人は東の山に棲む魔王。

主人公は姫を助けるために城を出ます。

主人公の決意に王も感激です。

城を出たところで

なんと、待ち構えていたストレイボウと出会い姫救出のために一緒に旅立ちます。

自分にとってはメリットは少ないのに主人公や姫のために共に魔王に挑むなんて、すごく良い奴じゃねーか!損得なしに行動する、この姿こそが「親友」なんだな。

道中の辺境の村でウラヌスというお爺さんと出会う

なんとウラヌスはかつて勇者と呼ばれたハッシュと共に戦った伝説の僧侶であった。

ウラヌス曰くハッシュはかつて魔王を倒すも、ハッシュに頼る人間が多く、また勇者ともてはやされた自分に嫌気を差し山に籠ってしまったらしい。(ウラヌスも同じ理由で辺境の村でひっそり暮らしていた。)

しかしながらウラヌスは姫のために、そしてハッシュの心を救うために仲間に加わります。

姫様を助けるのも大事じゃが・・・

ハッシュを人間嫌いのままで、いさせたくはない。

人が人を信じなければ何を信じるのじゃ・・・

一行はハッシュがいる雪山へ。

心を閉ざすハッシュをウラヌスは説得。

弱くなったなハッシュ。

確かに人間は弱い。

弱いゆえに強い者を頼りにする・・・

じゃが弱いからこそ!

強くなろうとする。

人を信じるからこそ

強くもなれる・・・

ハッシュは自分が弱い人間でないことを証明するために仲間に加わります。

西の山の頂で魔王討伐を誓った一行は魔王が棲む東の山へ向かう。

これまでのシナリオボスにそっくりな像の部屋を通過した先に魔王がいます。

魔王と闘い勝利するも、ハッシュは魔王が偽物だと気づく。

そして実は病気を患っていたハッシュは吐血し倒れてしまいます。

何故その体で来たのだと問うウラヌスに対しハッシュは答えます。

私は一度は勇者と呼ばれた人間

少しは勇者らしい最期を迎えられそうだ・・・

そして主人公に剣を託します。

姫は・・・

お前が助けに来ると信じている・・・

信じてくれる者が一人でもいるかぎり・・・

その人間を・・・

信じるのだ・・・!

そう言い残しハッシュは亡くなります。

このセリフからハッシュは「自分が弱い人間でないことを証明するためだ」と言いながら、実は自分を勇者として信じてくれた人間のために病気にも関わらず同行してくれたことが判明します。

その後、魔王がいた石像を見てストレイボウが何か気づくも、突然部屋が崩れかけ、ハッシュの遺体を置いて脱出するもストレイボウが逃げ遅れてしまいます。

止むを得ず残った主人公とウラヌスは城に戻り王に報告した後、城の部屋で一晩休むことになりました。

本当の魔王はどこへ・・・

姫は生きているのか・・・

前半シナリオは実に王道的RPGです。

各キャラは人を信じることを強調しています。

一方、一部のキャラはかつてのハッシュやウラヌスのように、強い者に頼るだけで何も行動しない人達に違和感を感じている場面もあります。

ここから物語はプレイヤーも予期せぬ方向へ進みます!!

後半シナリオ

主人公は助けを乞うアリシアの夢を見ます。

そして落盤で死んだはずのストレイボウが寝室から出ていく姿を見ます。

後を追うと、なんと王の間に魔王が!!

魔王を倒すと実は幻術で本体は王様でした。

倒れた王様を見て驚愕する主人公。

そこへ大臣や兵士が入ってきて、倒れた王を見て、本当はハッシュもストレイボウも王様同様に主人公の仕業でないかと疑います。

そして兵士たちは叫びます。

同じく生き残ったウラヌスも魔王の仲間に疑われ、事態を把握したウラヌスは主人公を城から逃がしますが、主人公が王を殺した話は既に近隣の村にも伝わっています。

失望した主人公は城に戻り捕まり牢屋に投獄されます。

そこには拷問にかけられたウラヌスがいました。

ウラヌスは手の平を返した人間に対し、ハッシュの人間嫌いの気持ちも理解できると言いながらも主人公に言います。

ここで人間を憎んでは負けじゃ・・・

かといって自分の心にウソをついてもいかん・・・

じゃから・・・

ワシは命をかけても・・・

魔王ではないと訴えるしかないのじゃ・・・

じゃがお前はそれではいかん・・・

オルステッドお前はまだ若い・・・

ハッシュやワシらが命を懸けて守ったものを・・・

守り続けるのじゃ・・・

そして最期の力で牢獄の扉を開けます。

お前には・・・

まだすべきことが・・・

信じる者がいるではないか・・・

そして、再びハッシュの死んだ場所へ行くのだと主人公に伝え、力尽きます。

人間の嫌な部分を目の当たりにした主人公であったが

自分を信じ、自分のために命を懸けてくれたハッシュやウラヌス!

そして自分が助けにくることを信じているアリシアのために!

主人公は城内で襲ってくる兵士たちを倒し、単独で再び魔王の間に突撃します。

そして像の間の隠し通路を見つけ突き進むとオープニングの光景である東の山の頂に出ます。

そこには一体の像があり、何者かが主人公に話しかけます。

なんと現れたのは落盤で死んだはずの親友ストレイボウ。

事態を理解できない主人公。

落盤で死んだと思われたストレイボウであったが実はあの落盤はストレイボウが仕掛けた芝居だったのだ。

ハッシュが亡くなった時にストレイボウは像の間の秘密通路の事に気が付いたのだ。

その瞬間に今まで抑えていた気持ちが爆破し、主人公を出し抜いて自分がアリシアを救おうと決意したのだった。

何故そのような行動を起こしたのか理解できない主人公を見てストレイボウは高笑いをする。

そして主人公を絶望の底に突き落とすために王殺しの罪を負わせたのもストレイボウの仕業であることが判明する。

それにも関わらずアリシアを助けにここまで来たことに激高するストレイボウ。

てめえはいつもそうやって!

俺のしてえ事をブチこわしやがるッ!!

むかしっから、そうだ!

俺がどんなに努力しても!

てめえはいつもその一つ上を行っちまうッ!!

あの決勝大会の時もなあッ!

俺があの夜どんなに苦しんだか・・・

てめえにッ!

てめえなんかにッ!!

かられてたまるかよッ!!

親友だと思っていたストイレボウであったが実は主人公の引き立て役だったことに憎しみを持っていたのであった。

そして主人公の引き立て役だった過去に決別するために本作品でも最も有名なセリフを言い放ち、主人公に戦いを挑みます。

このセリフと共にBGMもライブアライブの代名詞とも言えるMegalomaniaに変わります。


しかし、またしても負けるストレイボウ。そして勝利を喜べない主人公・・・。

そこに、なんとアリシアが現れます。

これだけ事態が悪化していく中でもはや自分を信じてくれるアリシアだけが希望だけです。

しかし・・・

主人公を拒むアリシア。

それどころか自分を陥れたストレイボウを擁護します。

この人(ストレイボウ)は・・

いつも、あなたのおかげで苦しんでいたのよ・・・

あなたには・・・

この人の・・・

負ける者の悲しみなどわからないのよッ!!

そう主人公に言い放つとアリシアはストレイボウの後を追うために主人公の面前で自決します。

主人公はここで、これまでの良き出来事や信じることの大切さを教えてくれたハッシュやウラヌスとの場面を思い出します。

そして、ここで初めて主人公が語ります。(オルステッドはドラクエタイプの主人公だったためこれまでセリフはありません。)

私には・・・

もう何も残されてはいない・・・

帰る所も・・・愛する人も・・・信じるものさえも・・・

魔王など・・・どこにもいはしなかった・・・

ならば・・・この私が魔王となり・・・

自分勝手な人間達にそのおろかさを教えてやる・・・

私は今より・・・オルステッドなどではない・・・

我が名は・・・魔王・・・オディオ・・・!

ここでエンドロールが流れて中世編は終了です。

皮肉にもハッシュやウラヌスが教えてくれた信じることの大切さが悪い方向に進んでしまいました。

信じるもののために頑張ってきたのに、その信じる者に裏切られ、帰る場所も失った者の末路は・・・

魔王など最初からいなかった・・・

7つのシナリオは良い話で完結したのに対し、このシナリオは全く救われない展開で完結します。

そして、ここで再びオディオと呼ばれる言葉が出てきます。

オディオは本作品の最重要ワードであり、これまでのボスの名も、この言葉が関わっています。

オディワン・リー、オディ・オブライト、OD-10、O・ディオ、お~でぃ~お~、尾手院王、御出居

いくつかの言葉、たとえばラテン語で”オディオ”は「○○○」を意味する。

最終シナリオ

最終シナリオでは、これまでのシナリオの主人公が中世に集結しライブ・ア・ライブという物語を集結させます。

各シナリオの主人公が集結してから本当の物語が始まるドラクエ4と違い本作品は物語完結に一直線なので、クリアまでそんなに時間はかからないよ。
せっかくこれまでの仲間が集結するのに完結に一直線はもったいなく感じますが、本作品の主役シナリオはこの最終編ではなく中世編なので、これでよかったと思うよ。

そして本作品が異色と言われるのが、なんと中世シナリオの魔王オルステッドを選ぶことができ、敵サイドでエンディングを迎えられることです。

ドラクエ4に例えるなら愛しいロザリーを殺された後の憎しみに満ちたデスピサロが、立ち向かってくる勇者やマスタードラゴンを殺戮するシナリオを選べるようなものだよ。

7シナリオの主人公選択時

通常戦闘曲はなんとオープニングで流れるLIVE・A・LIVE

出現する雑魚敵も7つのシナリオを反映して恐竜・機械・侍とサガフロンティア以上にカオスな状態。

シナリオのエンディングから物語は開始となる。

突如暗闇に覆われどこからか不思議な声響いてくる。

来たれよ・・・

○○たる者よ・・・(主人公によって変わります。)

人間に未だ幻想を抱くものよ・・・

いざなおう・・・

真実を知らしめんために・・・

突如、奇妙な亜空間に飛ばされ先を進むと、ここは中世の誰もいないルクレチア王国。

看板は血で見えないことから、魔王オルステッドにより滅ぼされた後のお話し。

主人公以外の仲間を探し出し、装備を整え魔王の元へ。

心のダンジョンでは亡くなった人達の亡霊がおり、アキラの念力で心の声を読むことができます。

オルステッドに殺されて怒りを感じる者。

オルステッドに殺されても、なお信じられない者。

ここでは中世編の主要人物であったハッシュ、ウラヌス、ストレイボウ、そしてアリシアの亡霊もいます。

オルステッドに共感が見受けられるハッシュやウラヌスに対して問題なのが残りの2名。

俺のせいなのか

あいつがこんなになってしまったのは

by当事者意識の薄いストレイボウ

お願いです・・・

止めてください・・・

オルステッドを・・・

by当事者意識ゼロ&他力本願のアリシア

中世編の最後とこのセリフからアリシアは見事スクエア3大悪女の1人に任命されます。

一行は魔王の元へ向かい魔王オディオ(オルステッド)と対面。

オディオは2つの大事な話をします。

1つ目は君達は英雄になったが、周りの人間は自らを危険にさらさないで他力本願に幸せを求める救う価値のない存在であること。

2つ目は自分にとって大切なものを守るためなら他者を傷つけてもよいのか。

1つ目については大臣や兵、街人のことでしょう。姫が攫われても誰も助けに行こうとせず、王様を殺害してしまった途端、言い分も聞かず魔王扱い・・・
2つ目は己の自尊心を守るためにオルステッドを絶望に陥れたストレイボウと敗北死したストレイボウを擁護し面前で自害しオルステッドの心の支柱を破壊したアリシアのことでしょう。

大事な話が終わると、お前たちもこの世界の人間と同じだと言い放ち戦闘へ突入。

オディオはそれなりに強く特にアリシアをイメージしたセントアリシアが状態異常付加もあり非常に厄介である。(エフェクトも聖母から骸と衝撃的)

オディオを倒した後にトドメを刺すを選択すると後味の良くないエンディングへ。

またラスボスに敗れるとハルマゲドンエンディングへ。

最終編でオルステッド選択時でも視聴可能なハルマゲドンエンディングはその名の通り全ての時代と世界が消滅し無に還ります。

したがってエンドロールも真っ暗な画面で流れます。

そしてエンドロールの最後では

結局、全てが吹き飛ばされました。

と、英語で衝撃の文が映し出されます。

全てが無になれば憎しみもなくなることから、これこそが真のエンディングかもしれないよ。

トドメを刺さず立ち去りるとシナリオボスの石像がある間に戦闘メンバー以外のメンバー集結。

そこにオルステッドも現れオディオの意味を伝えます。

知るがよい・・・オディオの意味を・・・

それは・・・太古の昔より・・・

はるかなる未来まで!平和なる時も・・・混乱の世にも!

あらゆる場所!あらゆる時代に!!戦いの火ダネとなるものッ!!

それは人間が存在する限り永遠に続く「感情」なのだ・・・

その感情の名を・・・憎しみ」

あるいは・・オディオ」というッ!!

オルステッドは最後の憎しみの力を使い、再び全てのシナリオボスと各主人公が闘います。

そして全員が勝利すると、何故勝てぬ、何が自分と違うと困惑するオルステッド。

そこに最終編で選択した主人公がセリフを言い放ち納得するオルステッド。

そして最期に遺言を残し消え去る。

・・・私が消えれば・・・

お前達もそれぞれの世界に帰れる・・・

だが・・・

覚えておくがいい・・・

誰しもが魔王になりえる事を・・・

「憎しみ」がある限り・・

いつの世も・・・

そしてTUREエンディングへ。

オルステッド選択時

己の勝利に酔いしれ敗者をかえりみない者達「人間」···。
それはとどまらぬ欲望を自重しない許しがたき存在···。
そう···
敗者が悪なのだ!!
勝者こそ正義なのだ!!
お前達は、素直に···自分の思うままに行動していただけだった···。
しかし敗者には···今も、過去も、明日も、未来もない!!
教えてやらねばならぬ···。
我が名は 魔王···
魔王オディオ···!!

中世編のエンディングから開始。

中世編の魔王の間に向かう最中に通過した、これまでのシナリオボスと思われる7つの石像の間に向かう。

そしてプレイヤーである魔王は、憎しみの力を与えられたシナリオボスを操作してこれまでの主人公を倒していきます。

そう、かつての敗者を勝者とするために!

戦闘時にはハルマゲドンコマンドを選択して世界を無にすることも可能である。(ハルマゲドンエンディング)

このシナリオがプレイヤーに伝えたいことは、

7つのシナリオで戦ったボスは本当に悪だったのかということである。

悪だから負けたのでなく、負けたのだから悪なのか・・・

そもそも、その存在は本当に悪だったのか・・・

己を厳しく鍛えんがため、未熟な門下生がもたらす悪評を覚悟の上で、自ら雇った暗殺者に狙われながら生きる拳士。

強くなりたいという誰もが持つ願望を叶えたがために、命のやり取りを余儀なくされた格闘家。

人間に作られ、生まれながらに人間を守る役割を押し付けられ、その人間の身勝手さを見てジレンマに陥った人工知能。

海の向こうから来た侵略者の勝手な動機で殺され、その無念が集まって生まれた戦士。

純粋に、本能のままに厳しい大自然の中を生き抜いてきた恐竜。

諸外国の脅威にさらされた幕末を生き抜く力を求め、人外の力を得た将軍。

人間の歴史につきものである「憎しみ」を克服できる、より高尚な精神性を求めるあまり、人間を改造する結論にたどり着いてしまった軍。

これがオルステッドの視点から見たシナリオボス達である。

特にSF編の主人公キューブと同じ人口知能を搭載したOD-10や最強のためなら自らの命すら厭わない奴が次から次へと現れる中で命のやり取りを余儀なくされたオディ・オブライトを一概に悪と決めつけるのは疑問があります。

また乱世の幕末を生き抜くために力を求めた尾手院王を倒したことが歴史的に正しかったのかは分かりません。少なくとも尾手院王は他力本願でなく自らも人外になり、力を得ることで諸外国に対抗しようとしていました。

全ての主人公を倒すと高笑いしてSADエンディングへ突入。

誰一人いなくなったルクレチアの縁ある地を何かを求めるがごとく彷徨い歩くオルステッド。

そして最後は全ての発端となったルクレチア城に向かい、魔王山が見えるバルコニーで何かに気付いたところで完結する。

時代も世界も異なる7人の英雄を葬った勇者とも魔王とも呼ばれたオルステッドは誰もいないルクレチア城のバルコニーで何を思ったのか・・・

おわりに

ライブアライブの要は間違いなく中世編であり、7つのシナリオは中世編との対比、最終編はゲームとしての締めくくりです。

タイトルのライフとエビルが対になっているように、生活の中で誰もが憎しみによって魔王になる可能性があること。

魔王は最初から魔王ではなかったこと。

そして敵として立ちはだかる者は本当に悪だったのか。

このように王道RPGのアンチテーゼとなる本作品はいろいろ考えさせられるゲームでありました。

またスクウェア三大悪女と呼ばれるアリシアや、ドット絵のCGにも関わらずプレイヤーの心を熱くする名場面があったことから本作品は多くのプレイヤーに今もなお支持されています。

また、イラスト版権がスクウェア以外に小学館も関わっていたため移植は困難と思われたが20年以上の時を超え見事にWii Uや3DSバーチャルコンソールで移植を成し遂げました。

無理を通してみせるッ!!byスクウェア

まだプレイされていない方は是非この異色のゲームを体験してみてください。

長文ながらここまで読んでいただき、ありがとうございました。




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