現役銀行員が自身の住宅ローンを選んだ決め手を振り返ってみた。




こんにちは、住宅ローンの勉強に励むcoco13世です。

今日はこれまでに100件以上の住宅ローンを携わってきた現役銀行員が自身の住宅ローン先を選んだ決め手について振り返っていきたいと思います。

ネットで検索すると

・満足度の高い住宅ローン選ぶ際の注意点、

・失敗しないためのポイント

など住宅ローンに関する情報は溢れていますよね。

僕も先日、住宅ローンを比較する際の3つのポイントを記事として書きました。

しかしネットで「住宅ローンを選ぶ決め手」を検索していく中で一つ気が付いたことがありました。

住宅ローンを比較して実際に取り組んだという体験談の記事は予想に反して少なかったという事実です。(専門家や金融機関からの外部意見が多い。)

そんなわけで、僕が様々な金融機関を比較して実際に自身の住宅ローンを決断した体験談を公開します。

はじめに

まず、住宅ローンを借りる際の金融機関の候補は・・

  1. 地元地方銀行(ハウスメーカー提携)
  2. 農協
  3. 住信SBIネット銀行
  4. 新生銀行
  5. 三菱東京UFJ銀行
  6. イオン銀行
  7. ろうきん

金融機関が多すぎるため、上記7つを候補として、その中から加算減点方式で①の地方銀行を選びました。

ちなみに地方銀行の住宅ローンの中身を簡単に紹介すると

資金使途:建物建築(土地は親の土地)

融資形態:つなぎ融資ではなく、出来上がり担保

金利:変動金利(長期プライムレート基準だと思われる)0.600%、がん保険付き

諸費用:保証料および事務手数料計40万円程

最優遇金利適用条件:公共料金2項目

取組後優遇サービス:年末残高証明発行手数料が無料ぐらい・・

担保:ハウスメーカーとの提携につき、建物完成時に土地および建物に抵当権第一順位設定。

司法書士:自由に選べる。

その他:支店まで歩いていける距離。

なぜこの概要で決めたか、気になる方もいると思いますので個別に説明をしていきます。

資金使途および融資形態

本題に入る前に住宅ローンを組む際の資金使途と融資形態の関係について簡単に説明します。

一般的に新規で住宅ローンを組む際には以下の4つが多いのではないでしょうか。

  1. 分譲住宅購入
  2. 中古住宅購入
  3. 建物建築
  4. 土地購入および建物建築

この中で住宅ローンの融資形態が複雑になるのは③と④になります。

金利が安いネット銀行を検討している方で③と④に該当する方は、自身の知識を身に着ける必要があります。

場合によっては取り組めないこともあります。

①および②の場合は引き渡し時までに住宅ローン契約を締結し、借りたお金を業者に支払えば完了なため簡単です。

③と④はそんな簡単な話ではありません。

③の場合だと、

まず僕たち消費者は業者と請負契約を締結します。

その際に「手付金」を支払います。

続いて建物工事の進捗に基づき「着工金」「中間金」「最終金」と支払います。

具体的に金額を提示すると3000万円の建物を建築する場合

手付金:100万円(契約時)

着工金:900万円(地盤改良時)

中間金:1000万円(上等時)

最終金:1000万円(建物完成時)

こんな感じで工事の進捗に基づき、都度お金を支払う必要があります。

ここでネックになるのは、住宅ローンの融資形態です。

上記のケースの場合、融資形態は2つあります。

Aつなぎ融資・・お金が必要となる度に必要な資金を「短期資金」で借入、最終金時に長期借入の住宅ローンに切り替える方法です。

上記のケースで例えると、

着工金支払い時に銀行から必要な資金「900万円+諸費用」を最終金支払い時期を期限として借入して業者に支払います。

中間金支払い時も同様に業者から請求があったら銀行から必要な資金「1000万円+諸費用」を最終金支払い時期を期限として借入して業者に支払います。

最終金支払い時には「今までに借入金額+最終金1000万円+諸費用」を住宅ローンとして借りて、そのお金で最終金支払いと着工金および中間金支払い時に借りた短期借入金を返済する融資形態です。

(実務上では工事完成の遅延を考慮し、短期借入金の期限は最終資金支払い時期から1カ月以上余裕も持たせる金融機関が大半だと思います。なぜなら期限延長は借主と金融機関双方手間がかかるからです。)

B出来上がり担保・・・初回借入時に、最終金までに必要な資金をまとめて借りることができます。

上記のケースならば「3000万円+諸費用」を必要書類が揃った時点で住宅ローンを締結して借入できます。ただしお金は金融機関がしっかり管理して住宅以外の資金には引き出しできません。

なぜなら金融機関が管理しないと、例えば着工金支払い後に通帳には残高2000万円以上残ります。万が一このお金を他の用途に使われて中間金や最終金が支払いできないとなれば大変なことになります。

Aつなぎ融資B出来上がり担保を比較した場合、借り手としてはBの方が圧倒的に楽です。

Aの場合は業者から請求があったら銀行に出向き短期借入金の契約を締結して借入を行い業者に支払う必要が出てきます。

また、つなぎ融資制度を適用するための事務手数料が発生することもあります。

Bであれば資金を全額借入手続きが済んでいるため、業者から請求があったら銀行に申し出て必要資金を口座から引き出して業者に支払うだけなので、手続きを行うのは家族等の代理人でも良く必ずしも本人が銀行に出向く必要はありません。

Bのデメリットと言えば最初に一括して資金を借りるため一般的には翌月から返済が始まります。

そのため賃貸アパートに住んでいる場合、家賃と住宅ローンの返済が重なることです

(金融機関によっては据え置き期間が適用できることもあります。据え置き期間中は元金の返済は猶予され利息だけの支払いで済みます。)

続いて④の土地購入および建物建築についてですが、このケースが一番複雑です。

土地購入時に建築確認許可を得ていればまだ簡単なのですが、そうでない場合はいろいろと規制がかかってきます。

金融機関が恐れているのが住宅ローンとして貸した土地購入資金が本当に住宅用途なのかというところです。

住宅用地のつもりが、事業用地になっていたら大変です。また土地を買った後、建物建築確認申請の許可が下りなかったら更地のままとなり大変です。

そのため一部の銀行では土地購入時から○○カ月以内に建築確認許可を取得することを条件提示します。

その条件を呑めないようであれば住宅ローンは組めません。

市街化調整区域の農地の場合は農地転用手続きが必要であり最も時間を要するため一部のネット銀行では条件に当てはまらず、申込不可のケースも出てきます。

  1. 分譲住宅購入・・・住宅資金を一括して借入
  2. 中古住宅購入・・・住宅資金を一括して借入
  3. 建物建築・・・住宅資金を一括して借入または分割(つなぎ)で都度借入
  4. 土地購入および建物建築・・・住宅資金を一括して借入または分割(つなぎ)で都度借入

ポイント

①・②であればどこの金融機関でも融資形態は一緒だが、③・④は金融機関によって融資形態が違う。

場合によっては一部の金融機関では取り組めないこともある。

実際、金融機関に勤めており建物建築時の段取り等を把握している僕でも、ネット銀行でのやりとりは正直手間はかかる、また確認しておくべき事項が多いなと思いました。

ようやく本題に戻りますが、

結論から言って僕は極力、融資形態に関しては楽な出来上がり担保を希望していたため、出来上がり担保を取り扱っていないことを確認した住信SBIネット銀行、三菱東京UFJ銀行、イオン銀行は減点となりました。

住信SBIネット銀行においてはつなぎ融資制度がなく、他の金融機関からつなぎ融資を受け、最終金支払い時に借換という面倒な方法しかなく別途つなぎ融資に伴う費用も発生するため大きく減点となりました。

一方、ハウスメーカー提携先の地元金融機関は出来上がり担保を適用できるだけでなく、業者と金融機関の提携の強みを生かして、中間金および最終金支払い手続きを、双方勝手にやってくれたのは加点でした。(通常は業者が顧客に請求、顧客が金融機関に請求金額を振込依頼)

分譲住宅購入や中古物件購入ならば、上記の融資形態は気にする必要ないよ。
土地購入や建物建築資金が資金使途となる場合は、候補である金融機関がどのような融資形態を取り扱っているか確認すること。
つなぎ融資にて取り組む際、別途どのぐらい費用が発生するか確認すること 。

金利

基準金利に関しては前回の記事で、金利幅が少ない短期プライムレートを推していましたが、実際には金利幅が大きい長期プライムレートを選びました。

実際に選んだ金利は

変動金利(基準金利:多分、長期プライムレートが基準)0.600%(がん保険付き)

金利は当時においても安い方でした。

当時イオン銀行は0.550%、住信SBIネット銀行が八大疾病付で0.500%ぐらい(共に変動金利)だった覚えがあります。

ろうきんは保証料がない分、金利は少し高めだったような・・・

固定金利においては農協が10年1.000%前後でした。

金利において減点対象になったのは新生銀行でした。商品概要を読むと変動金利においては最優遇期間は半年間だけだったからです。

つまり取組時には0.5%でも半年後には自動的に金利が上がる仕組みだったのです。

また金利においてはなるべく低いことに重視したため、あえてリスクの高い長期プライムレートを基準とする地方銀行を候補に残しました。

住宅ローンの金利リスクについて簡単に説明すると

残高が多く、また残債期間が長いほど金利リスクが高くなります。

例えば3000万円を30年で借りた場合、0.500%と1.000%で毎月返済額と10年後の残高を比較すると

0.500%:毎月返済額89,756円、10年後の残高20,495,570円

1.000%:毎月返済額96,491円、10年後の残高20,981,354円

お分かりでしょうか!

0.5%の方が毎月返済額が安いにも関わらず、10年後の残高は1.0%と比較して50万円弱も減りが早いのです。

仮に1.0%との毎月返済額の差額分を10年目に一部繰上げすれば、更に残高の乖離は大きくなるでしょう。

これが1500万円を15年で借りた場合、0.500%と1.000%で毎月返済額と10年後の残高を比較すると

0.500%:毎月返済額86,514円、10年後の残高5,125,516円

p>1.000%:毎月返済額89,774円、10年後の残高5,251,831円

30年、3000万円と比較すると金利による差額は小さくなります。

すなわち住宅ローン残高が多いほど、また残債期間が長いほど、金利による影響を大きく受けるため、変動幅が大きいが現行金利が低い長期プライムレート基準金利を選んだのです。

それに0.6%でがん保険付もお得感がありました。

将来的に短期プライムレートと逆転して金利差が開くようであれば、その時の住宅ローン残高や期間を考慮したうえで他行の短期プライムレート基準金利商品に借換を行えば、金利幅によるリスクヘッジは可能です。

金利は低い方が良いよ。
残高が多いほど、期間が長いほど、金利の影響を受けるよ。

過去に3000万、35年住宅ローンを組む知人に10年1.400%か変動0.800%どちらを選ぶべきかという質問し対して上記理由から変動0.8%をオススメしました。

あくまでもオススメであって正解ではありません。

金利情勢によって正解は変わります。

住宅ローンの変動・固定金利選択はデリバティブ(金融派生)商品であり最終的な責任は借主へ帰属します。

諸費用

諸費用においては実際のところ、顧客の属性によって保証料区分が変わるところが多く、正確なところは確認しておりません。

ろうきんは保証料なしを全面に出していましたが、その分金利が高かったため帳消し。

イオン銀行と住信SBIネット銀行は事務手数料(つなぎ融資費用を除く)で50万円強でしたので地元金融機関に軍配があがりました。

取組後優遇サービス

住宅ローンに力を入れている金融機関だと、住宅ローン適用者には他のローンも優遇が受けれたり、他の手数料(振込手数料等)において優遇が受けれたりしますね。

今回の候補銀行のなかではイオン銀行の住宅ローン適用者の買い物割引は魅力かなと思いましたが期間が5年間だけだったことと、普段イオンで買い物はしないため加点にはなりませんでした。

最優遇金利適用条件

各金融機関の住宅ローンを見てみると、

農協は組合員加入や火災共済加入、三菱東京UFJは給振指定があったため減点となりました。

ろうきんも組合員にならないと最優遇金利は適用できませんでした。

地元地方銀行は公共料金2項目のみが魅力的でした。

金融機関に勤務している以上、他行へ給振口座は変更は絶対無理だし・・・

給振変更可能かは勤務先に確認しましょう。

担保

住宅ローンを組む際は物件の土地と建物を担保に入れます。

先ほどの資金使途の続きとなりますが、土地購入や建物建築の場合は金融機関によってやり方が違うため注意は必要です。(分譲住宅購入や中古物件購入の方は気にしなくて良い。)

一般的には建物建築の場合、まずは土地だけを担保(抵当権)に入れて建物完成後に追加担保設定を行うことが多いです。

抵当権設定金額=借入金額となるため、建物建築時に仕様変更等で最終金が変わる可能性が高いときは、煩雑化を防ぐため金融機関から根抵当権を要求されることもあります。

設定金額×0.4%が登録免許税となり、また根抵当権設定金額は債務以上の可能性が根抵当権の方が費用は高くなります。

土地購入時の場合は、土地購入時に建物借入金額が決まっていないことが多いため、一旦おおよその金額で根抵当権設定を行うことが多いです。予定より建物借入金額が増えても金融機関は根抵当権の極度額を増額するだけで良いから管理が楽なのです。(ちなみに予定よりも借入金額が減っても極度額減額は行いことが大半です。)

本件、住宅ローンにおいては地元地方銀行が一番待遇がよかったのです。

なんと、業者と提携のため建物完成後まで土地は担保に入れなくて良いという想定外の回答でした。

すなわち建物完成時に土地および建物を同時い担保に入れるため、担保手続きが一回で済むのです。(通常は着工時に土地担保設定、建物完成時に建物追加担保設定と計2回担保設定手続きが必要となります。)

当然、担保手続きは2回より1回の方が司法書士報酬は安くなります。

分譲住宅購入や中古物件購入ならば、担保について気にする必要なし。
建物建築資金や土地購入資金の場合は事前に、いつ、どのような担保設定を行うのか確認しましょう。

司法書士

住宅ローンを組む際に決めていたことがありました。

それは司法書士の知り合いがいたため、担保設定および所有権保存登記手続きは、知り合いに頼み安くしようと考えていました。(頼むだけでは図々しいと思い保存登記申請書は自分で作成しました。)

ところが、イオン銀行や住信SBIネット銀行では司法書士は銀行指定の司法書士でないとダメということが記載してあったため減点となりました。

地元金融機関は、司法書士名を伝えたところ了解を得れましたので加点となりました。

まぁ金融機関の立場からするとお金を貸したにも関わらず担保設定手続きに不備があったら、大問題になりますから、得体の知れない司法書士はお断りするのでしょう。

実際に知り合いの司法書士に頼んだことにより、7万円程費用を抑えることができました。(建物表題登記においては自分で書類作成から登記申請まで全て行ったため8万円程浮かせました。こちらに関しては後日、手法を紹介します。)

金融機関によっては司法書士の選定があるため注意が必要です。

その他

支店が近くにあるため、申込時の来店が苦でなかった。

もちろん対面式のため疑問点はその場で回答を得れた。

また地元に根付く銀行のため、万が一返済が滞って条件変更等が必要になったときも柔軟に対応してくれる気がした。ネット銀行だと条件変更時の個別対応が不透明な気がした。(これは完全に僕の主観です。)

住宅ローンを組むことはスタートでありゴールでありません。

まとめ

そんなわけで、いろいろな要素を比較した結果、ハウスメーカー提携先である地元金融機関に落ち着いたのであった。

最後に候補金融機関についてまとめると・・・

農協

火災共済加入条件がネックだった。

住信SBIネット銀行

つなぎ融資を取り扱っていないことが最大のネックだった。金利は一番安かったことと八大疾病付は魅力だと思います。もし分譲住宅購入ならここに決めていたかも!

新生銀行

変動金利適用時に最優遇半年だったことから除外。

三菱東京UFJ銀行

最優遇金利適用条件の一つに給与振込指定があったため除外

イオン銀行

出来上がり担保が使えない。司法書士が選べない。この2つがネックだった。金利は低かったが総諸費用が地方銀行より高かったため候補から外れました。

ろうきん

可もなく不可もない感じだったため決め手が見つからなかったです。

おわりに

住宅ローンを組む際、少しでも得するように真剣にいろいろな金融機関を調べる方もいると思います。この記事が各金融機関の比較する際の材料の一つとなれば幸いです。

全てに要素でランキング一位の住宅ローンはありません。各々、重視するポイントを明確にして、悔いのない選択をしてください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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