ファミ通が定期的に行われる名作RPGアンケートで名が挙がるのがクロノ・トリガー。
90年代をゲームと共に生きてきた人ならば、一度はその名を聞いたことはあるはず。
クロノ・トリガーは『ファイナルファンタジー』シリーズの坂口博信と『ドラゴンクエスト』シリーズの堀井雄二・鳥山明が手を組んだ夢のような作品であったことから、発売前から期待度は大でした。
発売前のCMを見てワクワクしたのは僕だけではなかったはずです。
いざプレイしてみると、もともと期待値が高かったにもかかわらず、それすらも凌駕する名作でした。
クロノ・トリガーの5つの魅力
クロノ・トリガーを名作へと押し上げた魅力は5つ。
- FFとドラクエの融合作品
- 独自の戦闘システム
- 異なる時間軸が舞台
- マルチエンディング
- 心に残る数多のBGM
順番に解説していきます。
名作クロノ・トリガーの魅力①FFとドラクエの融合作品
- FFの専売特許であるATB(アクティブタイムバトル)
- ポーション、エーテルといったFF用語のアイテム
- ファイア、サンダーといったFF用語の魔法
- 属性攻撃による2倍・無効・吸収効果
- 主人公は一切喋らない(リアクションはする)
- 鳥山明によるキャラクターデザイン
スクウェア作品なのでFF要素の方が比率が高いですが、キャラクターのデザインが鳥山明ということで、ドラクエやドラゴンボールのようなキャラが登場するため、FFの派生作品という感じはしません。
また、主人公が喋らないことでドラクエ主人公のように感情移入できる同時に、仲間キャラはしっかり盛り上げてくれることからFFのような重厚な物語を味わえるいいとこどりの作品です。
名作クロノ・トリガーの魅力②独自の戦闘システム
クロノ・トリガーはFFの戦闘システムの代名詞ともいえるATBを採用していますが、戦闘はFFと大きく異なっています。
- シンボルエンカウントからのシームレスバトル
- 戦闘中に敵が移動する
- 連携技
- 技や魔法で弱化・強化する敵が多い
昔のFFやドラクエではフィールドやダンジョンを歩いていると効果音と共に強制エンカウントに突入し戦闘画面へと移行します。
クロノトリガーではシンボルエンカウントであり敵は見えており、戦闘するかどうかはプレイヤーに委ねられています。
また、アクションRPGの聖剣伝説のように、画面が変わることなくそのまま戦闘に突入します。(シームレスバトル)
戦闘突入後も敵は一か所に留まらずウロチョロしますが、このウロチョロが非常に大事。
クロノ・トリガーでは単体技・全体技でなく範囲技も多いからです。
範囲技はサークル(円)、扇形、直線(横or縦)があり、当然ながら敵が密集しているほど、一度の技で多くの敵を巻き込めます。
範囲技自体はロマサガで見られる仕様ですが、戦闘中に敵が動くクロノ・トリガーの方が技を使用するタイミングにより対象となる敵の数が変化することから、より実践的です。
連携技もクロノ・トリガー独特で、2人以上のATBが溜まると連携技を放つことができます。
連携技はダメージ率が加算されるため、単体技×2より2連携のほうが効果的です。
連携技も範囲技が多いため、各仲間のATBの状況と敵の配置次第で、どの連携技が効果的か随時変わってくるため、雑魚戦でも奥深い戦闘が楽しめます。
技や魔法で弱化・強化する敵が多いのもクロノ・トリガーの特徴。
例えば恐竜は防御力が非常に高いですが、電気技を受けると麻痺して防御力が落ちる特徴があります。
物理攻撃をすると防御力が上がり、魔法攻撃をすると魔法防御力が上がり、一定数まで溜まると強力な攻撃と共に、蓄積されたバフをリセットするこれまでにないパターンのボスも登場します。
名作クロノ・トリガーの魅力③異なる時間軸が舞台
クロノ・トリガーは異なる時間軸が舞台となります。
- 人間と恐竜が存続をかけて戦う原始
- 魔法文明が栄える古代
- 人間と魔王軍が戦う中世
- 主人公たちが過ごす平和な現代
- 世界崩壊の日(1999年)
- 荒廃化した未来
90年代はノストラダムスの大予言により1999年に世界が滅ぶと言われていたことから、クロノ・トリガーにおいても1999年を運命の日と定めたのでしょう。
クロノ・トリガーで主人公が生きる現代の世界は平和そのものです。
ただし、それはAD1,000年の主人公が生きている現代の話。
とあるトラブルからAD600年の中世へタイムスリップした主人公は、のちにAD2300年の未来へもタイムスリップしてしまうのですが、なんと未来は荒廃化した世界だったのです。
主人公たちは1999年に地上から現れた謎の生物のよって世界を滅ぼされたことを知り、未来の星を救うためにジタバタします。
時代の節目に立ち会うことにもなり、原始時代では原始人と恐竜人の存族をかけた戦い、中世時代では世界を恐怖に陥れている魔王との決戦もあります。
これまでのRPGが世界を救う冒険に対し、クロノ・トリガーは未来そして星を救うための冒険と異質かつ壮大です。
名作クロノ・トリガーの魅力④マルチエンディング
ラスボスを倒せばエンディング。
ドラクエやFFもラスボス倒したらエンディングですし、クロノ・トリガーもラスボスを倒したらエンディングですが、大きく異なる点は、早い段階(2周目は開始10分)から好きなタイミングでラスボスに挑めること。
初めて時の最果てを訪れて、バケツからラスボスの元(1999年)に向かい瞬殺されたのが懐かしいですね。
強制イベントで中盤以降にラスボスと一度戦うことがありますが、1周目は戦力差がありすぎて全く太刀打ちができず製作者の意図通り負け戦となり、終盤にイベント通りにラスボスに挑んでエンディングを迎えるパターンが大半です。
ところが2週目以降は『強くてニューゲーム(1週目のステータスと装備を引き継ぎ)』を選択すれば、早い段階でラスボスに挑んで勝利することも可能になります。
1周目では負け戦だったイベントでも、運命を覆して勝利することも可能です。
また、どのタイミングでもラスボスに挑めるため、例えば終盤の主人公が離脱したときに、主人公抜きでエンディングを迎えることも可能。
クロノ・トリガーではラスボス撃破のタイミングにより10種類以上のエンディングが用意されているため、2周目以降も楽しめます。
製作者たちはプレイヤーが2周目以降『強くてニューゲーム』を利用して、あらゆるタイミングからラスボス撃破することを想定していたわけです。
個人的に見て欲しいのが、ハードルは高めですがゲーム開始直後のマールと2人でラスボス撃破した者だけがたどり着ける、各開発者たちのセリフが聞けるエンディング。
名作クロノ・トリガーの魅力⑤心に残る数多のBGM
東京オリンピックの開会式でゲーム曲が採用されたサプライズに興奮したのは僕だけではないはず。
名作クロノ・トリガーは開会式で偉大な存在を見せつけ、カエルのテーマ曲とロボのテーマ曲の2曲が選ばれました。
世界的な大イベントに採用されるだけでも凄いのに、1曲だけでなく2曲もエントリーしたのです。
他作品で2曲選ばれたのは他にFFシリーズ、モンハンシリーズがありますが、シリーズ作品でなく単品作品で2曲採用はクロノ・トリガーだけ。
クロノ・トリガーの曲の凄さは歴代ゲーム作品のなかでも5本の指に入ります。
個人的にお気に入りの曲5つは以下の通り。
- 風の憧憬(中世フィールド曲)
- 魔王決戦(魔王専用のバトル曲)
- 世界変革の時(ラスボス第二形態のバトル曲)
- カエルのテーマ(グランドリオン関係で流れる曲)
- クロノトリガー(希望を見いだすときに流れる曲)
イベント曲はもちろん戦闘曲も移動曲も総じてハイレベルです。
個人的にはカエルのテーマ曲が好きで、曲を聞くとカエルが後悔と迷いを断ち切ってグランドリオンが真の力を解放する場面が脳内再生されます。
クロノ・トリガー【リマスター版】の変更点
リマスター版はDSを購入・プレイ。
クロノ・トリガーの物足りなさの1つがラスボスを上回る裏ボスがいないこと。
せっかく周回プレイで最強クラスのアクセサリー『虹のメガネ』を複数集めても、苦戦する敵がいないのです。
リマスター版ではそんなプレイヤーのために、おまけダンジョンと裏ボスを用意。(PS版はなし)
裏ボスは記憶に残るほど強い感じはなかったのですが、ライトプレイヤーの心は満たしてくれます。
またイベントと直接関係はないのですが、随所のイベントでアニメーションムービーが実装されており、意外とテンション上がります。(とくにカエルが初めてグランドリオンを使用する場面)
クロノ・トリガーがおすすめな人
- RPG初心者の方
- シナリオを重視する方
クロノ・トリガーの戦闘難易度はそれほど高くなくドラクエのようなレベル上げなどは不要。
次に行うべきことも明確であり迷うことも少ないのでRPG初心者の方に向いています。
また、シナリオは非常に濃厚であり、各伏線も終盤でしっかり回収されるため、RPGで戦闘よりシナリオを重視する方にもおすすめ。
タイムトラベルのRPG自体がそもそも少ないので新鮮さもあります。
まとめ:クロノ・トリガーは不朽の名作
本記事ではクロノ・トリガーが名作と評価できる5つの理由(魅力)についてお伝えしました。
- FFとドラクエの融合作品
- 独自の戦闘システム
- 異なる時間軸が舞台
- マルチエンディング
- 心に残る数多のBGM
ゲーム全盛期時代から生み出されたドリームプロジェクトのクロノ・トリガーは、自身のなかではTOP5に入る名作でした。
まだプレイされていない方は、ぜひクロノ・トリガーをプレイしてみてください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。