嵐山でトロッコに乗って景色を見ていたときに印象的だったのが保津川を下る舟の光景。
舟の乗客はテンションが高く、電車に乗っている僕たちに手を振ってきます。
いつか乗ってみたい反面、夏は暑くて行く気が失せるし、花見と紅葉の時期は混雑しているから行く気が失せます。
冬は営業していないのかなと公式サイトを見てみると、真冬も運行していることが判明。
ただし、初めての保津川下り体験だったので疑問点もいくつか出てきました。
- 冬の川下りは寒くないか
- 濡れるのではないか
- 揺れ具合はどうなのか
- 師走の年末連休は混雑していないか
- 乗船時間が1時間半~2時間って退屈じゃないか
- 舟乗り場までどのように行けばよいか
本記事では、自身の体験をもとに上記疑問に答えていきます。
保津川乗船場へのアクセス(1年共通)
乗船場までの各交通手段のアクセス方法は公式サイトに記載されています。
- 車
- 嵯峨野トロッコ
- JR山陰本線
僕は保津川乗船場まで車で行き帰路は電車でしたので、そのルートを紹介します。
車をどこに停めるのか
車の場合は駐車場所(駐車料金含む)と川下りを往路か帰路にするかを決める必要があります。
結論から述べると、乗船場まで車で行き電車を帰る方法がおすすめです。
乗船場の駐車スペースは広く(80台)、駐車料金も終日無料であるからです。
嵐山の有料駐車場に車を停めて電車(トロッコまたはJR)で乗船場より向かうより、乗船場に車を停めて帰路を電車にした方が安く済みます。
橋の手前右側が第一駐車場、奥が第二駐車場です。
コロナ禍前の年末連休初日の朝9時20分ぐらいに乗船場に到着。
道中の高速道路も京都縦貫自動車道「篠IC」を降りた後も道は空いていました。
朝早かったせいか、施設内には関係者以外の人はほとんどいませんでした。
駐車場もガラガラでした。
施設2階入り口の前方左手に受付があります。
売店はありますがコンビニの方が品揃えは良いです。
出航時間まで付近をうろついて良いと言われましたが近くには何もなく、外で保津川を見るぐらいしかやることがありません。
電車の乗り降り場所
帰路は嵯峨嵐山駅から電車です。
JRもトロッコも駅は一緒の位置にあります。
トロッコは何度か乗ったことがあったので、今回は時間と暖かさを優先してJRを選択。
トロッコだと終点まで25分かかるところJRだと僅か9分。
料金もトロッコ880円に対しJRは200円と割安です。(料金は2023年10月時点のもの)
ただし、JRは早さと引き換えに大半はトンネルであることから景色は期待してはいけません。
JR亀岡駅から乗船場まで徒歩で10分程度です。
JR亀岡駅北口から一本道なので迷うことはないです。
道中で無料の足湯がありますので、冬の時期はありがたいです。(2021年秋の保津川下りでお世話になりました)
駅構内にもナビがあるので改札口を出てから迷う心配もありません。
駅ロータリーは広いので、歩くのが大変と思われる方は運転手が車を取りに行って迎えに戻りましょう。
トロッコ電車利用時の注意点
往路・帰路にトロッコを検討されている方は注意点が3つあります。
- 水曜日は原則運休
- 便は1時間に1本
- 駅から乗船場は遠い
①水曜日は原則運休
平日に企画している方は注意しましょう。
例外的に、夏休みや花見や紅葉時期などのハイシーズンは水曜日も運行しています。
ハイシーズンは水曜日も営業している他に臨時便も用意されます。
②便は1時間に1本
原則は朝9時台~16時台で1時間に1本です。(2023年10月時点)
始発のトロッコで乗船場に向かい10時の舟便に乗ると、お昼に(嵯峨)嵐山に着くので計画が立てやすいです。
運休日や便については嵯峨野トロッコ列車公式サイトを参照してください。
③駅から乗船場は遠い
トロッコ亀岡駅から乗船場まで2.5㎞ありますので歩くのはちょっと大変です。
乗船場まではいくつかの交通手段が用意されていますので、時間や料金と相談しましょう。
僕らが舟で下っていたとき馬車を1組見ました。
タクシー
時間は10分ほど。常にタクシーが捕まるかは不明。
JR
JR馬堀駅まで距離は500mほど、JR馬堀駅から亀岡駅まで時間は3分、料金は150円です。
亀岡駅からの徒歩時間を加味すると、最も時間が掛かります。
バス
京阪京都交通が駅から乗船場までの連結バスを出しています。
連結バスのため、バス出発時刻はトロッコ亀岡駅の到着時間から10分後となっています。
時間は10分ほど、料金はクーポン付で330円です。
クーポン付チケットはトロッコ嵯峨駅かトロッコ嵐山駅の窓口で事前に購入しておく必要があります。
時間帯は9時台~14時台(3~10月は15時台あり)。
詳しい内容は公式サイトで確認しておきましょう。
馬車
最も趣のある乗り物。
こちらもバス同様にトロッコ電車と乗船の連結の役割を果たしています。
時間は25分ほど、料金は1,200円です。(2023年10月時点)
時間帯は9時台~13台。
詳しい内容は公式サイトで確認しておきましょう。
冬の保津川下りの特徴
冬の保津川下りの特徴は以下の通り。
- 舟の仕様が変化する(寒さ・濡れ対策あり)
- 舟の便が少なくなる(冬場は人気がないので予約不要でいける)
- 1・2月はトロッコが運休(交通手段はJRのみ)
①舟の仕様が変化する
少し見にくいですが、上記写真は冬以外の保津川下りの舟仕様です。
さすがに冬にこの仕様で川下りは風邪をひきますので、冬仕様が用意されています。
舟内はストーブで事前に暖めてくれます。
アクリル板の窓とビニール屋根が風・冷気・水しぶきから守ってくれます。
靴を脱いで赤い絨毯に横3人並んで座る形式です。
靴は預かってくれるのでスペースを取るブーツなどでも問題ありません。
著者は乗り物酔いが激しく、船酔いを和らげるために真ん中に座りましたが、揺れは激しくなく酔うことはありませんでした。
公式サイトでは妊婦や小さい子どもも自己責任でOKと謳っています。
当日は年少未満の親子連れも見かけました。
濡れに関しては、最前列に座る場合、正面からの水しぶきで若干の濡れは覚悟しておきましょう。
サイドはアクリル板の窓があるのに対し、正面は防ぐものがないので、流れが急なところだと正面から水が飛んできます。
バスタオルと替えの靴下は用意しておきましょう。
僕の左隣に座っていた日頃の行いが如何わしい友人は、水しぶきがクリーンヒットしていました。
嵐山付近に近づくと乗客の同意を得て、写真のように屋根を取って立ち見となります。
ビニール屋根がなくなると外気と気温が同じになるので、アウターは欠かせません。
改めてアクリル板の窓とビニール屋根が防寒の役割を果たしていたことを実感します。
当日の天気は晴れのち曇り、最低気温3度、最高気温9度の午前中でしたが、船内は暖かくカイロや手袋は不要でした。
余談ですが、上記写真のようにアクリル板の中にしか人が乗れないことから、冬仕様の舟は定員16名とそれ以外と比較して2/3となります。(冬以外は定員24名)
- 意外と寒くない(普段と同じ防寒具で良し)
- もしもに備え多少の濡れの準備はしておく
- 定員はやや少ない
②舟の便は少なくなる
舟の時刻表は時期によって2つに分かれます。
3月~12月(通常)
月〜金 | 9:00 | 10:00 | 11:00 | 12:00 | 13:00 | 14:00 | 15:30 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
土・日・祝日 | 不定期運行 ※15:30 最終船 |
1月~2月(冬)
定期時間 | 10:00 | 11:30 | 13:00 | 14:30 |
---|---|---|---|---|
土・日・祝日 | 不定期運行 ※14:30 最終船 |
冬(1月・2月)は少ないです。
船頭さん曰く、ハイシーズンの土日は朝から船員総出で受け入れるみたいなので、予約なしの場合はトロッコの始発組が到着する10時より前に乗船場に着くことがおすすめみたいです。
混雑していると、昼には船頭さんたちが出払ってしまうみたいです。
混雑状況については、桜や紅葉の時期以外は予約なしでも問題ないとの回答。
年末だったので朝の便に本当に乗れるのか心配でしたが、冬は混雑しないとの回答。
ハイシーズン以外は予約なしで問題なさそうです。
具体的な情報は公式サイトで確認しておきましょう。
③1・2月はトロッコ運休
保津川下りは1月・2月も営業していますが、トロッコは完全に運休です。
車で向かう場合、往路または帰路はJRとなります。
舟からの景色の1つとしてトロッコ電車もあるので、トロッコ電車を舟から見られないのは、ややもったいない感じはあります。
トロッコを見かけたら全力で手を振りましょう。向こうも全力で手を振ってくれます。
人生初の保津川下りを体験してわかったこと
①船頭のトークが抜群
船員さんは3人おり、2人は前方と後方で舟の進路を確保します。
残り1人が乗客と対面となり、オールで漕ぎながら景色の説明をしてくれます。
景色の説明以外にも、全然関係ない話、冗談めいた話も多く積極的に笑いを取ってきます。
ツッコミもなかなか強烈です!
景観と船員トークのおかげで、運行時間1時間半~2時間の川下りも退屈しませんでした。
船頭曰く、オール漕ぎは3ヵ月、進路確保は10年、トークは20年で一人前になるみたいだよ。
途中交代した船頭さんは特にトーク力に優れ、冗談めいた話を英語や中国語でも披露していました。
舟内には中国人と欧米人のグループもいました。
②あまり揺れない
前日の朝に雨が降ったのですが揺れは心配でしたが、あまり揺れませんでした。
舟内では真ん中席だと掴まる物がないので、あまる揺れても困りますが・・・
揺れる場所は事前に船頭さんから告知があります。
告知があると皆、スマホで写真やムービーを撮っていました。
③飲食は持ち込みOK
カッパえびせんやカントリーマァムを持ち込んで正解でした。
小腹は空きます。
揺れで食べにくい感じはなかったです。
匂いがないものであれば、食べていても周りに迷惑は掛かりません。
和菓子を持参すると趣が出ると思います。
当たり前ですが、運行中はトイレに行けないので、飲み物の過剰摂取には注意しましょう。
④サービスタイムがある
船頭さんとのトークの中で、今日の船員は僕たち3人と一番前に座っている友人。
冗談で言われていたのですが、嵐山付近に近づくと、なんと友人が本当にオール漕ぎを任されます。
突然の指名にびっくりする友人に対し「最初に言ったよね。90分間何を見てきたのだ!」と厳しいツッコミがきました。
漕ぐコツはあるみたいで、最初は友人が漕ぐ舟の速度は並行して泳ぐ子カモより遅い速度でしたが、コツをつかんだ後半は親カモよりやや速くなりました。
友人の他に立候補制で若い女の子と男の子が体験していました。
若い女の子のときは、おっさんの友人と違い、船員が後ろに付き添ってしっかり教えていました。
他にも、嵐山付近でカモに餌をあげる機会もありましたので、エサとなる食べ物を用意しておくとカモが寄ってきて、カモにも乗客にも人気になれます。
僕たちは持ち込みのカントリーマァムで人気になりました。
冬の保津川下りまとめ
川下りと聞くと夏のイメージがありますが、冬でも十分に楽しめることがわかりました。
保津川下りは日本だけでなく世界的にも知名度が高く、外国旅行者にも人気があります。
ハイシーズン以外は事前予約なしでも乗船できます。
嵐山に寄るときは選択肢の1つとして、世界的に人気な『保津川下り』をぜひ体験してみてください。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。