こんにちは、SFCゲームが大好きなcoco13世です。
今日は今から20年以上前にスクウェアが発売した異色のRPG「ライブ・ア・ライブ」についてお伝えします。
本作品が発売した直近半年のスクウェア作品はと言えば・・・
94年4月に発売した、ナンバリング大作である「ファイナルファンタジーⅥ」
95年3月に発売予定であった、ファイナルファンタジーシリーズの坂口博信と、ドラゴンクエストシリーズの堀井雄二・鳥山明が手を組んだ「クロノトリガー」
この2大作品であったため、残念ながら埋もれる結果となりました。
もちろん本作品においても、小学館とのコラボでシナリオごとに、違う漫画家が描いたことから事前の知名度はありましたが・・・
売上本数は、上記2大作品の10%強程でした。
しかしながら、本作品を支持する者は多かったのか、2022年夏にリマスター版が発売となりました。
ライブ・ア・ライブは一体何者なのか?
ネタバレ有で、ゲームの内容や思いを語ってきます。
ライブ・ア・ライブ 7つのシナリオの特徴と感想
オムニバス形式のシナリオが7つ用意されてます。
各シナリオは時代も世界も異なるだけでなく遊び方も異なります。
功夫編(伝承)
年老いてきた彼はその拳法を受け継ぐ若者を探す・・・・
3人の弟子を探し出し体力・速度・力の修行を行う。
どの弟子が後継者となるかは老師の修行のつけ方しだい。
主人公は、自身の流派を継承する者を探す老師。
老師はかなり強いため、戦闘に慣れる意味では初心者におすすめのシナリオ。
シナリオも簡単で、次にどこに行けば良いか、迷うこともなし。
前半は弟子集めと育成、後半は街で悪さをする憲法集団・義破門団との戦いになります。
3人の弟子を育成しますが、老師が一番注力したものだけが生き残り、他の2人は殺されてしまいます。
弟子のお勧めは、素早さが高いレイ・クウゴ。
最終編で主人公唯一の女性キャラにもなります。
シナリオボスは、義破門団の総帥オディワン・リー。
老師と生き残った弟子が、義破門団の道場に乗り込み、最後は老師に託された弟子と、オディワン・リーの一騎打ち!!
現代編(最強)
『最強』の座を手に入れようと野心をする若者の激闘!
ムエタイ・プロレス・ルチャ・骨法・サンボ・スモウ・・・・
すべての格闘技の必殺技を、その肉体で受け習得するのだ!
主人公は最強を目指す、知力がいまいちな青年。
現代編ではマップ移動はなく、6人(順不同)と1対1の戦いを行います。
その中で、敵の技をラーニングし、シナリオボスである7人目と戦う戦闘のみの話。
レベル上げによるステータスアップはないため、6人の戦う順番と相手の技の「ラーニング」が重要になってきます。
シナリオボスは、最強を目指すオディ・オブライト。
相手の命を絶たずして真の勝利はない!
そう断言するオディ・オブライトは、主人公が戦った6人を倒すだけでなく命も奪います。
SF編(機心)
その中で今、新たな生命が生まれつつあった・・・
船内で次々と起こる事件・・・・
メカニックのカトゥーに作られたばかりのロボットも乗組員達と共に巻き込まれて行く。
主人公は、乗組員カトゥーに作られたロボット。
現代編とは異なり、強制戦闘は一回だけ。
コギトエルゴスム船内の移動と会話が主体である。
次々と乗組員が犠牲になり、生存者も疑心暗鬼に陥る、SFホラーサスペンス 。
中盤のベヒーモス徘徊はトラウマとしても名高いです。
シナリオボスは、宇宙船コギトエルゴズム号を管理するマザーCOMの本体OD-10。
思考型プログラムOD-10は船内の調和を目的としており、OD-10は船内の人間の言動から人間は船内の調和を乱すものと判断。
ベヒーモスを檻から放ったり、コールドスリープの電源を落としたりして、船内の人間を排除していたのです。
終盤で一連の犯人がOD-10と判明しますが、この時点で生存者はカトゥ―、ロボット嫌いのダース伍長、主人公だけ。
しかし、カトゥ―も傷を負ったことから、ロボット嫌い伍長と2人で行動することになります。
西部編(放浪)
放浪を続ける おたずね者が無法者達におびやかされるサクセズ・タウンにおとずる・・・・
ワナの材料を探し町の人々と協力してしかけ無法集団クレイジーバンチの襲撃をむかえ撃つのだ!
主人公は一匹狼のガンマン。
戦闘はSF編同様にボス戦のみ。
総勢15名の無法集団クレイジー・バンチは、鐘の音が8回鳴るとサクセズ・タウンを襲撃してきます。
襲撃までに住民と協力して罠を張り、ボス戦の敵を1人でも多く減らすのが目的となります。
罠をどの住民に指示するかは、プレイヤーが選べるため、住民の性格や特性を把握することが求められます。
シナリオボスはクレイジー・バンチの指揮官O・ディオ。
罠で手下たちを減らしておかないと、ボス戦で集結するため厳しい戦いになります。
原始編(接触)
キビし〜い長老のもと相棒のゴリと気ままに暮らす少年が、かりを許される年になった日・・・・
会話のない時、代人は強い嗅覚を持っていた。
においをかぐ事で 獣の居場所や危険などを知る事が出来たのだ。
主人公は、村長に育てられた原始人の少年。
まだ言葉がない世界のため、コミュニケーションは動作のみで行われます。
主人公の移動時固有技として「匂いを嗅ぐ」が用意されています。
7つのシナリオの中で、ギャグ要素と下ネタ要素が一番強いです。
シナリオ自体のボリュームも多く、他部族の女の子に恋、他部族の戦士と争い、好きな女の子が恐竜の生贄になったりと盛りだくさんです。
シナリオボスは恐竜お~でぃ~お~。
終盤、恐竜お~でぃ~お~の生贄の場に落下する、
- 主人公と相棒のゴリ
- 好きな女の子
- 敵部族の族長
- 敵部族のリーダー格の戦士
幕末編(密命)
この天地動乱の時代にも影ながら生き続ける「忍び」に密命が下った・・・・
敵の城へ潜入し数々の敵や からくりを突破しとらわれの人物を救出せよ!
なるか100人斬り!?
主人公は歴史の影に生きる炎魔忍軍忍者の若き忍者。
移動マップは尾手城のみであるが、トラップなどもあり、アクションスキルも問われます。
城内も複雑であることから、初心者が最初に選ぶのはおすすめしません。
目的自体は要人救出と大名・尾手院王の打倒ですが、100斬りの他に0人斬りも可能であったり、FF5のオメガや神竜をモデルとした、凶悪な強さを持った敵とも戦えたりします。
(要約:やり込み要素や隠し要素が多い!!)
シナリオボスは大名・尾手院王。
近未来編(流動)
人々の本音を見すぎケンカにあけくれる日々だったが・・・・
人の心を読む事が出来る読心能力を持っている少年・・・・
はたして古代ロボット魔神ブリキ大王は復活するのか!?
主人公は、人の心を読むことができる超能力者でもある孤児。
癖のあるシナリオが多い中で、最も一般のRPGに近いです。
シナリオボスは日暮里の寺に置かれている、巨大な仏像である隠呼大仏に降臨した御出居という名の神。
近未来編の敵である、雲龍教祖、科学者シンデルマン、陸軍総帥のヤマザキ。
彼らは暴走族クルセイダーズを利用し、攫ってきた一般人を液化して作り出した“液体人間”(2,000人分・60,000リットル)を注入することで、御出居様の降臨した隠呼大仏を動かし、穢れた現世を救うという、恐ろしい計画を企てていました。
対抗するためには、巨大戦闘ロボット「ブリキ大王」に頼るしかなかったのですが、強大な精神エネルギーを要することから、誰も動かせませんでした。
しかし、主人公の兄貴分である無法松が「マタンゴ」という精神増強剤を大量に摂取し、極限まで精神力を高めブリキ大王を起動させます!
しかし最後には松は力尽きてしまう・・・
実は松の過去はクルセイダーズのリーダーで、機動隊であった主人公の父とは敵同士であり、父を殺した張本人でもあったわけです。
松は罪滅ぼしのため、陰ながら主人公達を助けていた熱い男だったのです。
ライブ・ア・ライブ 8番目のシナリオの特徴と感想
7つのシナリオをクリアすると8番目の中世シナリオを選ぶことができます。
ライブ・ア・ライブの真髄は間違いなく、この中世シナリオです。
7つのシナリオだけであれば、この作品は程々の評価で終わっていたと思われます。
中世編(魔王):前半シナリオ
強き心 強き力を持ち 勇ましき姿となりて・・・・
魔王を打ち砕かん・・・・
東の山に魔王あり・・・・
邪悪な心 邪悪な力を持ち 邪悪な姿となりて・・・・
全てを憎むものなり・・・・
スベテヲニクムモノナリ・・・・
中世編は「物語の経緯」が重要なので、シナリオを前半と後半に分けてじっくり解説します。
舞台は中世のルクレチア王国。
中世、勇者、魔王、姫とRPGの王道。
敵もランダムエンカウントであり、本作品で最も王道のRPG。
物語は王国武闘大会で、主人公である剣士オルステッドと親友の魔法使いストレイボウの2人の決勝戦から始まります。
試合の前に、ストレイボウは主人公に言います。
「遠慮はなしだ。友達だからといって・・・手加減などしたら許さんからな。」
結果は主人公が勝利するも、ストレイボウも称賛。
優勝者である主人公には、王様の娘であるアリシア姫と結婚が約束され、次期王となる主人公とアリシアのための宴が始まる。
宴の夜、城のテラスで2人きりなった主人公とアリシア。
アリシアは主人公に言います
「誰よりもあなたを信じます。」
しかし、アリシアと主人公が抱き合っているときに、突如魔物が現れアリシアが攫われてしまいます。
王様の話から、犯人は東の山に棲む魔王!
主人公は姫を助けるために城を出ます。
主人公の決意に王も感激です。
城を出たところで、待ち構えていたストレイボウと出会い、姫救出のために一緒に旅立ちます。
道中の辺境の村で、ウラヌスというお爺さんと出会います。
ウラヌスは、かつて勇者と呼ばれたハッシュと共に戦った伝説の僧侶。
ウラヌス曰く、ハッシュはかつて魔王を倒すも、ハッシュに頼る人間が多く、また勇者ともてはやされた自分に嫌気を差し山に籠ってしまったらしいです。
(ウラヌスも同じ理由で、辺境の村でひっそり暮らしていた。)
「姫様を助けるのも大事じゃが・・・ハッシュを人間嫌いのままで、いさせたくはない。人が人を信じなければ何を信じるのじゃ・・・」
ウラヌスは姫のために、そしてハッシュの心を救うため、主人公たちの仲間になってくれます。
一行はハッシュがいる雪山へ。
心を閉ざすハッシュをウラヌスは説得。
「弱くなったなハッシュ。確かに人間は弱い。弱いゆえに強い者を頼りにする・・・」
「じゃが弱いからこそ!強くなろうとする。」
「人を信じるからこそ!強くもなれる・・・」
ハッシュは自分が弱い人間でないことを証明するために、主人公たちの仲間になります。
西の山の頂で、魔王討伐を誓った一行は、魔王が棲む東の山へ向かいます。
偶然なのか、これまでのシナリオボスにそっくりな像があります。
魔王と対面し勝利するも、ハッシュは魔王が偽物だと気づきます。
そして、実は病気を患っていたハッシュは吐血し倒れてしまいます。
「なぜ、その体で来たのだ!」と問うウラヌスに対し、ハッシュは答えます。
「私は一度は勇者と呼ばれた人間。少しは勇者らしい最期を迎えられそうだ・・・」
そして主人公に剣を託します。
「姫は・・・お前が助けに来ると信じている・・・」
「信じてくれる者が一人でもいるかぎり・・・その人間を・・・信じるのだ・・・!」
そう言い残し、ハッシュは亡くなります。
このセリフからハッシュは、「自分が弱い人間でないことを証明するためだ」と言いながら、実は自分を勇者として「信じてくれた人間」のために、病気にも関わらず、同行してくれたことが判明。
その後、魔王がいた石像を見て、ストレイボウが何かに気づきます。
しかし。突然部屋が崩れかけ、ハッシュの遺体を置いて脱出するもストレイボウが逃げ遅れてしまいます。
やむを得ず、残った主人公とウラヌスは城に戻り、王に報告。
その後、城の部屋で一晩休むことになる。
本当の魔王はどこへ・・・
姫は生きているのか・・・
前半シナリオは、実に王道的なRPGです。
特徴なのが各キャラは「人を信じること」を強調していること。
一方、一部のキャラは、かつてのハッシュやウラヌスのように、強い者に頼るだけで何も行動しない人達に違和感を感じている場面もあります。
ここから物語は、プレイヤーも予期せぬ方向へ進みます・・・
中世編(魔王):後半シナリオ
主人公は助けを乞うアリシアの夢を見ます。
そして、起きたときに、落盤で死んだはずのストレイボウが、寝室から出ていく姿も見ます。
ストレイボウの後を追うと、なんと王の間に魔王がいたのです!
魔王を倒すと、実は幻術で本体は王様でした。
倒れた王様を見て、驚愕する主人公・・・
そこへ大臣や兵士が入ってきて、倒れた王を発見。
本当はハッシュもストレイボウも王様同様に、主人公の仕業でないかと疑いをかけられます。
そして兵士たちは叫ぶ!!!
同じく生き残ったウラヌスも、魔王の仲間と疑われ、事態を把握したウラヌスは主人公を城から逃がします。
しかし、主人公が王を殺した話は、既に近隣の村にも伝わっていたのです。
失望した主人公は城に戻ったところで捕まり、牢屋に投獄されます。
牢屋には、拷問にかけられたウラヌスがいました。
ウラヌスは、手の平を返した人間に対し、「ハッシュの人間嫌いの気持ちも理解できる!」と言いながらも主人公に言います。
「ここで人間を憎んでは負けじゃ・・・」
「かといって自分の心にウソをついてもいかん・・・」
「じゃから・・・ワシは命をかけても・・・魔王ではないと訴えるしかないのじゃ・・・」
「じゃがお前はそれではいかん・・・オルステッドお前はまだ若い・・・」
「ハッシュやワシらが命を懸けて守ったものを・・・守り続けるのじゃ・・・」
ウラヌスは最期の力で牢獄の扉を開けます。
「お前には・・・まだすべきことが・・・信じる者がいるではないか・・・」
そして、再びハッシュの死んだ場所へ行くのだと主人公に伝え、力尽きる(‘Д’)
人間の嫌な部分を目の当たりにした主人公であったが・・・
自分を信じ、自分のために命を懸けてくれたハッシュやウラヌス!
そして、自分が助けにくることを信じているアリシアのために!
主人公は城内で襲ってくる兵士たちを倒し、単独で再び魔王の間に向かいます。
そして、像の間の隠し通路を見つけ、突き進みます。
突き進んだ先は、オープニングの光景である「東の山の頂」でした。
そこには一体の像があり、何者かが主人公に話しかけてきます。
なんと現れたのは、落盤で死んだはずの親友ストレイボウ!!
事態を理解できない主人公。
落盤で死んだと思われたストレイボウでしたが、あの落盤はストレイボウが仕掛けた芝居だったのです。
ハッシュが亡くなった時、ストレイボウは像の間の秘密通路の事に気づきました。
その瞬間に今まで抑えていた気持ちが爆破し、主人公を出し抜いて自分がアリシアを救おうと決意したのです。
なぜ、そのような奇怪な行動を起こしたのか、理解できない主人公を見て、高笑いするストレイボウ。
さらに、主人公を絶望の底に突き落とすため、王殺しの罪を負わせたのも、ストレイボウの仕業であることが判明します。
そんな逆境にも関わらず、アリシアを助けに、ここまで来たことに激高するストレイボウ。
「てめえはいつもそうやって!俺のしてえ事をブチこわしやがるッ!!」
「むかしっから、そうだ!」
「俺がどんなに努力しても!てめえはいつもその一つ上を行っちまうッ!!」
「あの決勝大会の時もなあッ!俺があの夜どんなに苦しんだか・・・」
「てめえにッ!てめえなんかにッ!!わかられてたまるかよッ!!」
親友だと思っていたストイレボウであったが、本当は主人公の引き立て役だったことに憎しみを持っていたのでした。
そして、主人公の引き立て役だった過去に決別するため、本作品でも最も有名なセリフを言い放ち、主人公に戦いを挑む!!
このセリフと共に、BGMもライブアライブの代名詞とも言える「Megalomania」に変わるので激アツです。
しかし、またしても負けるストレイボウと勝利を喜べない主人公・・・
そこに、なんと攫われたアリシアが現れるます。
これだけ事態が悪化していく中で、もはや自分を信じてくれるアリシアだけが希望です。
しかし・・・
主人公を拒むアリシア!
それどころか、自分を陥れたストレイボウを擁護します。
「この人(ストレイボウ)は・・いつも、あなたのおかげで苦しんでいたのよ・・・」
「あなたには・・・この人の・・・負ける者の悲しみなどわからないのよッ!!」
そう主人公に言い放つと、アリシアはストレイボウの後を追うため、主人公の面前で自決します。
主人公はここで、これまでの良き出来事や「信じることの大切さ」を教えてくれた、ハッシュやウラヌスとの場面を思い出します。
そして、ここで初めて、主人公が言葉で語ります・・・
(オルステッドは、ドラクエタイプの主人公のためセリフなし。)
「私には・・・もう何も残されてはいない・・・」
「帰る所も・・・愛する人も・・・信じるものさえも・・・」
「魔王など・・・どこにもいはしなかった・・・」
「ならば・・・この私が魔王となり・・・自分勝手な人間達にそのおろかさを教えてやる・・・」
「私は今より・・・オルステッドなどではない・・・」
「我が名は・・・魔王・・・オディオ・・・!」
ここでエンドロールが流れて、中世編は終了となります。
皮肉にも、ハッシュやウラヌスが教えてくれた「信じることの大切さ」が、悪い方向に爆走してしまいました。
信じる者のために頑張ってきたのに、その信じる者に裏切られ、帰る場所も失った者の末路は・・・
魔王など、最初からいなかった・・・
7つのシナリオは、良い話で完結したのに対し、中世シナリオは全く救われない展開で完結します。
そして、ここで再び「オディオ」と呼ばれる言葉が出てきます。
「オディオ」は本作品の最重要ワード。
これまでのボスの名も全て「オディオ」の言葉が関わっていたのです。
- オディワン・リー
- オディ・オブライト
- OD-10
- O・ディオ
- お~でぃ~お~
- 尾手院王
- 御出居
ライブ・ア・ライブ 最終シナリオの特徴と感想
最終シナリオでは、これまでのシナリオの主人公が、中世に集結。
ライブ・ア・ライブという物語を集結させます。
そして本作品が、異色と言われるのが、なんと中世シナリオの魔王オルステッドを主人公として選ぶことができ、敵サイドでエンディングを迎えられること!
7シナリオの主人公選択時
通常戦闘曲は、なんとオープニングで流れる「LIVE・A・LIVE」。
出現する雑魚敵も、7つのシナリオを反映し、恐竜・機械・侍など、サガフロンティア以上にカオスな状態。
シナリオのエンディングから物語は始まります。
突如、暗闇に覆われ、どこからか不思議な声響いてくる。
「来たれよ・・・○○たる者よ・・・(主人公によって変わります。)」
「人間に未だ幻想を抱くものよ・・・いざなおう・・・真実を知らしめんために・・・」
突如、奇妙な亜空間に飛ばされ先を進むと、ここは中世の誰もいないルクレチア王国。
看板は血で見えないことから、魔王オルステッドにより滅ぼされた後のお話。
主人公以外の仲間を探し出し、装備を整え魔王の元へ。
心のダンジョンでは、亡くなった人達の亡霊がおり、アキラの念力で心の声を読むことができる
オルステッドに殺されて怒りを感じる者。
オルステッドに殺されても、なお信じられない者。
ここでは中世編の主要人物であった
ハッシュ、ウラヌス、ストレイボウ、そしてアリシアの亡霊もいます。
オルステッドに共感が見受けられるハッシュやウラヌスに対し、問題なのが残りの2名!!
「俺のせいなのか!あいつがこんなになってしまったのは・・・」
by当事者意識の薄いストレイボウ
「お願いです・・・止めてください・・・オルステッドを・・・」
by当事者意識ゼロ&他力本願のアリシア
中世編の最後と上記セリフから、アリシアは見事「スクエア3大悪女」の1人に任命されます。
一行は魔王の元へ向かい、魔王オディオ(オルステッド)と対面。
オディオは2つの大事な話をします。
1つ目は、君達は英雄になったが、周りの人間は、自らを危険にさらさないで、他力本願に幸せを求める、救う価値のない存在であること。
2つ目は、自分にとって大切なものを守るためなら、他者を傷つけてもよいのか。
大事な話が終わると、お前たちも、この世界の人間と同じだと言い放ち、戦闘へ突入。
オディオ戦はレベルが低いと苦戦します。
とくにアリシアをイメージした技「セントアリシア」が、状態異常付加もあり、非常に厄介です。
エフェクトも「聖母から骸」と、オルステッドのアリシアの印象を具現化した感じになっています。
オディオを倒した後、「トドメを刺す」を選択すると、後味の良くないエンディングへ。
ラスボスに万が一敗れると、「ハルマゲドンエンディング」へ。
最終編で、オルステッド選択時でも視聴可能な「ハルマゲドンエンディング」。
その名の通り、全ての時代と世界が消滅し、無に還ります!
したがってエンドロールも、真っ暗な画面で流れます。
そしてエンドロールの最後では、結局、全てが吹き飛ばされましたと、英語で衝撃の文が映し出されます。
トドメを刺さず立ち去りると、シナリオボスの石像がある間に戦闘メンバー以外のメンバー集結。
そこにオルステッドも現れ「オディオ」の意が判明。
「知るがよい・・・オディオの意味を・・・」
「それは・・・太古の昔より・・・はるかなる未来まで!平和なる時も・・・混乱の世にも!あらゆる場所!あらゆる時代に!!戦いの火ダネとなるものッ!!」
「それは人間が存在する限り永遠に続く「感情」なのだ・・・」
「その感情の名を・・・”憎しみ”あるいは・・”オディオ”というッ!!」
オルステッドは、最後の憎しみの力を使い、全てのシナリオボスと各主人公の戦いが始まります。
全員が勝利すると「何故勝てぬ、何が自分と違う」と困惑するオルステッド。
そこに、最終編で選択した主人公がセリフを言い放ち、納得するオルステッド。
そして最期に遺言を残し、消え去る。
「・・・私が消えれば・・・お前達もそれぞれの世界に帰れる・・・」
「だが・・・覚えておくがいい・・・」
「誰しもが魔王になりえる事を・・・」
「”憎しみ”がある限り・・・いつの世も・・・」
そしてTUREエンディングへ。
オルステッド選択時
それはとどまらぬ欲望を自重しない許しがたき存在···。
そう···
敗者が悪なのだ!!
勝者こそ正義なのだ!!
お前達は、素直に···自分の思うままに行動していただけだった···。
しかし敗者には···今も、過去も、明日も、未来もない!!
教えてやらねばならぬ···。
我が名は 魔王···
魔王オディオ···!!
中世編のエンディングから開始。
中世編の魔王の間に向かう最中に通過した、これまでのシナリオボスと思われる、7つの石像の間に向かう。
プレイヤーである魔王は、憎しみの力を与えられたシナリオボスを操作して、これまでの主人公を倒していきます。
かつての敗者を勝者とするために!
戦闘時には「ハルマゲドンコマンド」を選択して、世界を無にすることも可能で。(ハルマゲドンエンディング)
このシナリオがプレイヤーに伝えたいことは、7つのシナリオで戦ったボスは、本当に悪だったのか!という点です。
悪だから負けたのでなく、負けたのだから悪なのか・・・
そもそも、その存在は本当に悪だったのか・・・
- 己を厳しく鍛えんがため、未熟な門下生がもたらす悪評を覚悟の上で、自ら雇った暗殺者に狙われながら生きる拳士。
- 強くなりたいという誰もが持つ願望を叶えたがために、命のやり取りを余儀なくされた格闘家。
- 人間に作られ、生まれながらに人間を守る役割を押し付けられ、その人間の身勝手さを見て、ジレンマに陥った人工知能。
- 海の向こうから来た侵略者の勝手な動機で殺され、その無念が集まって生まれた戦士。
- 純粋に、本能のままに、厳しい大自然の中を生き抜いてきた恐竜。
- 諸外国の脅威にさらされた幕末を生き抜く力を求め、人外の力を得た将軍。
- 人間の歴史につきものである「憎しみ」を克服できる、より高尚な精神性を求めるあまり、人間を改造する結論にたどり着いてしまった軍。
これが、オルステッドの視点から見た、シナリオボス達である。
とくにSF編の主人公キューブと同じ、人口知能を搭載したOD-10。
最強のためなら自らの命すら厭わない奴が、次から次へと現れる中で、命のやり取りを余儀なくされたオディ・オブライト。
これらのボスを、一概に悪と決めつけるのは疑問があります。
また、乱世の幕末を生き抜くために、力を求めた尾手院王を倒したことが、歴史的に正しかったのかは分かりません。
少なくとも尾手院王は、他力本願でなく自らも人外になり、力を得ることで、諸外国に対抗しようとしていた。
全ての主人公を倒すと、高笑いして「SADエンディング」へ突入。
誰一人いなくなったルクレチアの縁ある地を、何かを求めるがごとく、彷徨い歩くオルステッド。
そして最後は、全ての発端となったルクレチア城に向かい、魔王山が見えるバルコニーで何かに気付いたところで完結。
ライブアライブ感想まとめ
ライブアライブの見どころは間違いなく中世編であり7つのシナリオは中世編との対比、
最終編はゲームとしての締めくくりです。
タイトルのライフとエビルが対になっているように、生活の中で、誰もが憎しみによって、魔王になる可能性があること。
魔王は、最初から魔王ではなかったこと。
そして、敵として立ちはだかる者は、本当に悪だったのか。
このように、王道RPGのアンチテーゼとなるライブ・ア・ライブは、いろいろ考えさせられるゲームでありました。
また、スクウェア三大悪女と呼ばれるアリシアや、ドット絵のCGにも関わらず、プレイヤーの心を熱くする名場面が多かったことから、本作品は多くのプレイヤーに今もなお支持されています。
まだプレイされていない方は、是非この異色のゲームを体験してみてください。
長文ながらここまで読んでいただき、ありがとうございました。
\LALのメッセージが気になる方はどうぞ/
本や映画には、読者や視聴者の心を満たすこと以外にも、役割を果たすことがあります。 その1つに、文字や映像を通じて、製作者側が読者や視聴者にメッセージを伝えることです。 これは本や映画だけでなく、ゲームにも当てはまる場合があります[…]
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