キナバル山は空路アクセスも良く、コースも整備されているため登山初心者の方にもおすすめの山です。
本記事ではキナバル山に挑戦される登山初心者の方に向けて、自身の体験をもとに服装や携帯・持参しておいた方がよいものを具体的にお伝えします。
- 速乾性抜群のアンダーウェア
- 化学繊維・ウール素材の長袖シャツ
- 動きやすい化学繊維のパンツ
- 透湿性が高く上下分離されたレインウェア
- 防寒具(フリースorダウン)
- 25~35リットルのザック
- 登山用のレインカバー
- 滑りにくい靴
- グローブ
- ヘッデン
- 保温力と軽さを重視した水筒
- スポーツドリンクの粉
- アミノバイタル
- 携帯食
- ポケットティシュ
- タオル
- カップラーメン
登山用品は災害用グッズとしても役立ちますので、災害対策がまだであれば、キナバル山登山を機会に一式そろえておきましょう。
- 2004年:富士山
- 2011年:マチュピチュ山
- 2016年:キナバル山
- 2022年:伊吹山、御嶽山、白山、宮之浦岳、木曽駒ケ岳、六甲全縦走、ダイヤモンドトレイル半縦走
- 2023年:槍ヶ岳、奥穂高岳、立山、恵那山、養老山脈全縦走、熊野古道小辺路縦走
キナバル山登山の感想については、下記記事を参考にしてください。
キナバル山の基本情報

富士山以上の登山コース
初日は標高1866mのティムポーン・ゲート(登山口)から標高3273mのラバン・ラタ・レストハウス(山小屋) まで登ります。(標準コースタイム6時間)
2日目に標高4095mの頂上を目指します。(標準コースタイム3時間半)
高低差も歩く距離も富士山以上であるため、ハイキングでなく登山という認識で挑戦しましょう。
荷物は公園本部と山小屋に2か所で預けられる
登山口がある公園本部ではスーツケースなど大型荷物も預かってくれるので、キナバル登山中は登山に必要なものだけを持参します。
山小屋でも荷物を預かってもらえるので、2日目の山頂アタックはヘッデン、レインウェア、飲み物など最低限度の荷物で挑戦できます。
気温は1年を通じて安定
キナバル山の麓の街であるコタキナバルの年間の気温を見るととわかりますが、気温は1年を通じて最高気温は30~35℃と安定しているため、日本の高い山と違っていつでも挑戦できます。
キナバル山では雪は数年に1度のレアであり、気温も氷点下を下回ることはほぼありません。
雪装備は不要ですが、頂上付近で強風が吹くと体感温度は氷点下を下回るため、防寒対策は必須です。
また雨量が多い地域でスコールもあるので、日本の山以上に雨対策が必要です。
気温についてはコタキナバルの気温を参考に100mで0.6℃下がる計算式で算出しましょう。
キナバル山登山の服装
- 速乾性抜群のアンダーウェア
- 化学繊維・ウール素材の長袖シャツ
- 動きやすい化学繊維のパンツ
- 透湿性が高く上下分離されたレインウェア
- 防寒具(フリースorダウン)
撥水加工抜群のアンダーウェア
キナバル山登山では山小屋泊となるため、ザックの重量も日帰りハイキングより重くなります。
また1,000m以上登っていくため、登っている最中に汗をかきます。
一般のTシャツだと大量の汗をかいたときベタつき感や汗冷えが出てきます。
またスコールなど雨によって服が濡れることもあるため、汗など水分を速やかに撥水するアンダーウェアが必要です。

ファイントラックとモンベルのドライレイヤーを着用していますが、汗をかく登山では毎回大活躍しています。
化学繊維・ウール素材の長袖シャツ
スコールに遭遇したとき、屋根のある休憩場所で待機することもありますが、半袖シャツだけでは冷えてきます。
長袖シャツがあれば、低気温や強風などの寒さ対策にもなります。
長袖シャツの中でもおすすめなのが、化学繊維またはウール素材のボタン式のシャツ。
綿は乾きにくいので登山ではNGです。
ボタン式のシャツだと、ボタンの開け閉めで行動中も温度調整がしやすいです。
化学繊維は乾きやすいのですが保温はイマイチ、ウール素材は乾きにくいですが保温は高い特徴があります。
化学繊維の長袖シャツはユニクロやワークマンでもお手軽価格で入手できます。
ウール素材は高価のため、購入するのであれば登山用のものにしましょう。
キナバル山2日目は3,000m超えを深夜に出発するので、保温重視のウールの長袖シャツがあると心強いです。



僕は暑がりなので化学繊維のシャツは持っていませんが、秋と冬の低山ではモンベルのメリノウールシャツを着用しています。
動きやすい化学繊維のパンツ
乾きにくい綿や動きにくいジーンズは避けましょう。
長ズボンか短パンかは好みでよいです。(僕は短パンでした)
短パンや生地の薄いパンツだと2日目の朝が冷えるので、防寒用のタイツもセットで持参しましょう。
注意点として1日目は天気が良いと登山中暑くなるので、裏地がフリーズなどの厚着のパンツは控えましょう。
下半身の防寒対策はタイツのほか、レインウェアでも対策可能です。
登山用パンツとして有名なのがノースフェイスのアルパインライトパンツ。



普段はノースフェイスの短パンを着用していますが、汗だくになってもすぐに乾きます。おたふくのタイツと併用すれば氷点下に短パンでも寒さは感じなかったです。
透湿性が高く上下分離されたレインウェア
スコールがくる熱帯雨林気候のキナバル山ではレインウェアは必須。
ホームセンターなどで売っているビニール製のレインウェアは透湿性がないのでおすすめしません。
登山中は汗もかくため透湿性がないレインウェアだと、汗が外に出ていかず体がずぶ濡れになり、冷えを起こす原因となります。
また熱帯エリアの雨は激しいので、安いレインウェアでは凌げません。
レインウェアは防寒着としても役立ちますので、上下が別れたもの、かつ透湿性に優れたゴアテックスかゴアテックスに準用したものがおすすめです。



モンベルのレインウェアを使用していますが正直価格は高いので、登山が趣味でなければ、コスパが高く評判も良く値段も良心的なミズノのベルグテックEXストームセイバーⅥをおすすめします。(登山用だと上下で3万は軽く超えます)
防寒着(フリースorダウン)
キナバル山2日目は森林限界を超えるため、風をダイレクトに受けます。
また1日の中で一番冷え込む時間帯に活動するため、寒くなったときのための防寒着はあったほうが心強いです。
ただし、富士山のように山頂でジッと待つわけではないので、ハイレベルの防寒着は不要。
登山用の防寒着としては、フリースのほかユニクロのウルトラライトダウンのような軽いダウンもおすすめ。
登山用のダウンは高いのでユニクロかワークマンで購入することをおすすめします。
個人的にはユニクロのウルトラライトダウンを推し。
注意点として、フリーズは風に弱く、ダウンは濡れると効果が半減するので、状況に応じてレインウェアで補いましょう。



ユニクロのウルトラライトダウンと似たマーモットのダウンを着用しています。ダウンは軽いうえにコンパクトサイズにもなるので重さも容量もそれほど気になりません。
キナバル山登山の装備品
- 25~35リットルのザック
- 登山用のレインカバー
- 滑りにくい靴
- グローブ
- ヘッデン
- 保温力と軽さを重視した水筒
25~35リットルのザック
キナバル山登山は山小屋で1泊するため、着替えやお泊りセットなど日帰り登山より荷物は多くなることから、最低でも25リットルの容量はほしいところです。
登山用のザックはお店に行くと、たくさん並んでいいるので迷います。
個人的には初めての登山用ならモンベルのガレナパック30がおすすめ。
実際に30リットルのザックを買う際に最後まで候補として挙がっていました。(最終的にはミレーのミレーのウェルキン30を購入)
ガレナパック30を実際にお店で実際に試用してみた感想は以下の通り。
- ポケットが多いので小物を多くの場所にしまえる
- ショルダー部分が厚く柔らかいので肩の負担軽減になる
- レインカバーも付いているので追加でレインカバーを買う必要がない
- 外側にシャツやアウターを入れる部分がある
- 重量は800gと軽め
- 性能は高いのに値段が15,000円以下と安い
近隣の山や北アルプスでもモンベルのガレナパックは良く見かけます。



キナバル山登山は海外旅行用で使用していたコールマンの30+5のザックで挑戦。ザックは性能だけでなく背負い心地も大事なので、実際にお店で試用してから購入することをおすすめします。
登山用のレインカバー
意外と忘れがちなのがレインカバー。
スコールに遭遇したときレインカバーがないと、ザックの中に水が浸透してしまい、大事な着替えや電化製品などが似れてしまいます。
キナバル登山道では1時間に1つの割合で屋根付きの休憩スポットがあるので、スコールがきたら休憩スポットまではレインウェアとレインカバーで体と荷物を濡れから守りましょう。
タウン用のレインカバーだと耐水圧に難があったり、強風で飛ばされる可能性もあるので、登山ブランドのレインカバーをおすすめします。



地味なのは嫌なのでミレーのアニマル柄のレインカバーを愛用しています。耐水圧2,000㎜、風飛び防止ありとスペックに問題ありません。Amazon・楽天で定期的に安くなっている点も魅力。
滑りにくい靴
1日目の山小屋までは、かなり道が整備されていますので運動靴でも問題なく登れると思います。
実際に僕のガイドはクロックスでした。
しかし2日目は岩場がメインになり、濡れると滑りやすくなるので底がツルツルの靴だと危険です。
キナバル山は全体的にコースは整備されており、不安定な足場は極めて少ないので、本格的な重量のある登山靴より、トレランシューズの方が良いです。
僕はキナバル山登山当時は登山知識がなく、一般の運動靴でしたが2日目の岩場の滑りが気になるぐらいでした。



低山はサロモンのアウトパルスGTX(ローカット)を着用しています。ゴアテックスなので水たまりにハマっても染み込んできませんしトレランシューズなので滑り対策もバッチリです。値段も一般のスニーカーに少しプラスした程度なので、ゴアテックス採用を考慮すればお得感はあります。
グローブ
登山ツアーに参加したとき、ガイドに買っておきなさいと強く言われ購入して後悔しなかったのがグローブ。
標高3,700mを超えたあたりからロープを使う箇所があるのでグローブは必須。
また雨は降らなくても霧でロープが濡れるため防水加工のグローブがおすすめ。
雪が降るような寒さでないので、スキー・スノボ用のグローブは不要です。



登山用のグローブは持っておらずワークマンの手袋で間に合わせています。
ヘッデン
グローブ同様に登山ツアーに参加したときに公園本部で購入したのがヘッデン。
2日目は深夜発になるので必需品です。
スマホや手に持つ懐中電灯だと片手が塞がるので登山中の使用は危険です。
ヘッデンは電池式とUSB充電式があります。
安いのは電池式ですが、定期的に使うなら都度フル充電にできるUSB充電式のほうがおすすめ。
明るさに関しては300ルーメンあれば十分です。(ルーメン数に比例して重くなる)
雨対策として防水性に関してはIPX4以上がおすすめです。



軽さ(86g)とモバイルバッテリーがあればいつでもフル充電できる、モンベルのリチャージャブル パワーヘッドランプ(USB充電)<300ルーメン、IPX6>を使用しています。虫があまり寄ってこない電球色も選択できます。
保温力と軽さを重視した水筒
キナバル山登山2日目で何気に恋しかったのが温かい飲み物。
2日目は深夜発のうえ標高も高いため、暖かい飲み物を持ち運びできる保温力の高い水筒があると心強いです。
お湯は山小屋で補給できます。
魔法瓶の水筒は数多くありますが、できれば保温力が高く軽い登山用の水筒がおすすめです。
とくに荷物が多くなる1泊登山において重量は重視したほうがいいです。
頂上付近にトイレはないので、容量は重さも考慮して0.5リットル~0.75リットルでよいです。



秋冬は保温力・耐久性が高い山専用ボトルのサーモスのステンレスボトル0.9リットルを使用。カップラーメンやコーヒーを飲むため熱湯を多めに持参しています。
キナバル山登山の飲食物
- スポーツドリンクの粉
- アミノバイタル
- 携帯食
スポーツドリンクの粉
1日目はスコールのときに肌寒さを感じましたが、晴れているときは意外と暑く汗も結構かいていました。
2日目も急な傾斜が多く運動量は多いです。
汗をかくと水分と一緒にミネラルも抜けるため、スポーツドリンクで補給しないと途中でバテます。



山小屋では水は無料ですのでスポーツドリンクの粉があれば、山小屋で高いお金を払って飲み物を買う必要がなくなります。
アミノバイタル
普段から登山をやっている人やアスリートは別として、一般の方がキナバル山登山に挑戦すれば間違いなく筋肉痛になります。
僕自身の体験談ですが、2日目の山頂アタックを済ました下山中に筋肉痛の症状が出てきて、登りより下山の方が辛かった思い出があります。
とくにキナバル山の登山コースは階段になっているところが多いため、太ももが筋肉痛になると下山は地獄です。
地獄を避けるためにするべきことは2つ。
- 1日目に山小屋に着いたらストレッチとマッサージをしっかり行う
- 負傷した筋肉をいち早く回復させるためにアミノバイタルでアミノ酸を補給する
アミノバイタルを使用すると翌日の疲労や筋肉痛が軽減されます。



登山後携帯のケアだけでなく登山中の携帯食としてお世話になっています。
携帯食
キナバル山登山の初日の標準コースタイムは6時間半と長丁場なので、登山中にエネルギー補給する必要が出てきます。
携帯食は人それぞれですが、押さえておきたいポイントはカロリーの高さと持ち運びやすさ。
迷うのであればカロリーメイトがおすすめです。
カントリーマァムや羊かんなどもおすすめです。
練乳も重量に対して摂取カロリーが高い優れものです。
キナバル山では座れる休憩場所も多いので、市街地でパンやおにぎりを購入しておくのもよいです。(ツアーだと1日目の昼はお弁当がついてくることが多いです)



携帯食としてカントリーマァムなどのチョコレート系とウイダーゼリーのお世話になっています。
キナバル山登山で持っていたほうがよいもの
- ポケットティシュ
- タオル
- カップラーメン
ポケットティッシュ
キナバル山においては500m間隔ごとに休憩所がありトイレも完備されていますが、トイレットペーパーは備えていないません。
登山だけでなく旅行中も役立つので余裕をもって持参していきましょう。
タオル
登山中は汗や雨で濡れることがあるので、フェイスタオルを1つ持参しましょう。
山小屋ではシャワーを浴びれますので、バスタオルのような大きめのタオルも1つあったほうがいいです。
汗かきの方は汗拭き専用タオルも持参しましょう。
コタキナバルも暑いので登山だけでなく観光でも役立ちます。
カップラーメン
日本の山小屋との一番の違いは異国の地であること。
泊まる部屋もドミトリーであるため外国の方と接する機会は多いです。
日本のカップラーメンはハイレベルのため、外国の方の受けはよく、話のネタにもなります。
ガイドの人のプレゼントにもなります。
自身の2日目出発前の朝食用にもなります。
キナバル山登山の持ち物まとめ
本記事ではキナバル山登山に必要なものについて、自身の体験と反省を生かして具体的にお伝えしました。
キナバル山はコースも整備されガイドもおり人員管理もされているため遭難リスクは極めて低いですが、富士山を超える4,000m級の山です。
観光ツアーとして紹介されていますが中身は完全たる登山ですので、体力面はもちろん装備面でも万全の状態で挑みましょう。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。