本記事では20年以上前に発売したにも関わらず、今もなお根強い人気があるFFT(ファイナルファンタジータクティクス)の印象に残っている名言・名セリフをFFTにどっぷり浸かった著者がお伝えします。
FFTはゲーム性はもちろん、名言・名セリフも多い神ゲーです!
1位~3位以外の順位付けは難しかったので、印象に残った10選を紹介します。
FFT名言①:熱いベーゼで殺してあげるから逃げちゃイヤよ。
chapter4ランベリー城門、セリア・レディ戦の戦闘前のセリフ。
剣士ラムザ
「……嫌な雰囲気がする。
「この気配は……、そうだ、キュクレインやベリアスと対峙したときのあれだ……。
若い女性の声
「ようこそ、ランベリー城へ。
セリア
「待っていたわよ、坊や。
「私たちが手厚い歓迎をしてあげるわ。
レディ
「熱いベーゼで殺してあげるから逃げちゃイヤよ。
FFTでは数少ない女性敵キャラ。
また騎士系が多いFFTでは珍しい踊り子風の風貌。
そんな貴重な女性キャラからのドキッとするセリフ!
しかし、このセリフは2つの意味で恐ろしい。
1つ目がこのセリフの通り、セリアとレディが使用する技「息根止」は100%デス効果という恐ろしいうえに、積極的に有言実行してくること。
また「影縫い」という100%ストップの遠距離技も持っているため、戦闘開始後「影縫い」で動きを封じられ、熱いベーゼ(キス)という名の「息根止め」で戦闘不能にさせられたプレイヤーは多かったはず。
2つ目がセリアとレディの真実の姿がアルテマデーモンという醜い怪物であること。
そのため、2人の正体(真の姿)を知った2周目以降ではいろいろな意味で印象に残るセリフでした。
セリアとレディの正体を知ってショックを受けたプレイヤーは僕だけではなかったはず!
セリアとレディは元人間でアルテマデーモンに転生したのか、アルテマデーモンが女性の姿に化けていたのか不明であるが、前者であることを強く願いたい!
FFT名言②:知らないということはそれだけで罪だわ!
chapter1レナリア大地、ミルウーダ2戦目の戦闘中のセリフ。
剣士ラムザ
「革命といったな…。革命を起こす必要があるのか…?
「僕らが悪いのか? 僕らがきみたちをを苦しめているのか? 何がいけないんだ…?
剣士ミルウーダ
「知らないということはそれだけで罪だわ!
「あなたが当然と思う世界はあなたに見える範囲だけ。でも、それだけが世界じゃない。
「あなたが悪いわけじゃない。でも、現状が変わらない限り、私はあなたを憎む!
「あなたがベオルブの名を継ぐ者である限り、あなたの存在そのものが私の敵ッ
chapter1のラムザは世間知らずである。
そのためアルガスやウィーグラフをはじめ、様々なキャラから痛い言葉を投げかけられますが、このセリフが一番印象的。
ただ、ここでの唯一の救いはミルウーダもラムザという個人でなく、ベオルブの名を継ぐ存在であることに対し憎んでいるとフォローしていること。
ラムザ自身もこのセリフを気にして、北天騎士団から逃げ出した後、世間を知るために傭兵になったのかもしれません。
実社会でも職場などで「知らないといことは、それだけで罪!!」と口に出したくなる場面はありますね。
FFT名言③:正義とはそれを語る者によってころころと変わるものだ!
chapter1風車小屋のウィーグラフの戦闘中のセリフ。
剣士ラムザ
「兄さんたちだって争いをしたいわけじゃないッ!!
「ウィーグラフ、貴方さえ剣を棄ててくれれば兄さんたちだって話し合いに応じてくれるはずだッ!
騎士ウィーグラフ
「ハッハッハッ! これは傑作だッ!
「おまえの兄たちが争いを起こしたくないだと? おまえはどこまで幸せなヤツなんだ!
剣士ラムザ
「兄さんたちが好んで戦いをしかけていると言いたいのかッ!!
騎士ウィーグラフ
「青いな! 執政者の手なんぞ黒い血で汚れているもの!
「ダイスダーグに正義があるとでも?正義とはそれを語る者によってころころと変わるものだ!
FFTにおいてラムザがよく使う言葉が「正義」であり、その「正義」に対しラムザが各キャラから論破される場面が多い。
なぜなら、ウィーグラフのセリフの通り「正義」とは、語る者や立ち位置によって変わるものだからです。
作中においても、立ち位置が違うダイスダーグやガフガリオンと最後まで分かち合えないことも必然なのです。
FFTでは各々が正義を掲げていることから、「正義」と「正義」がぶつかる場面もあり、都度考えさせられることが多い。
見方を変えれば、「正義」が定まっていないからこそ、FFTのシナリオは濃厚で今なお評価されているわけです。
ドラクエだって魔物たちの立ち位置が描かれていないから、勇者が「正義」と思えるだけかも。
シナリオ重視のゲームだと、敵側の立ち位置も描かれているよね。
ただ善悪の区別が曖昧過ぎると、クリア時の後味が悪くなる可能性があるから、そのあたりをどう描くかが製作者側の腕の見せどころだね。
FFT名言④:おまえは“現実”から 目を背け、逃げているだけの子供なンだよ!
chapter2ゼイレキレの滝、ガフガリオンの戦闘中のセリフ。
剣士ガフガリオン
「汚いだと!? 金を稼ぐのに奇麗もクソもあるか!
「オレはプロの傭兵なンだぞ! 請け負った仕事はどんな内容でもやり遂げる、それがプロってもンだ!
剣士ラムザ
「何故、僕に話してくれなかった! どうしてッ!!剣士ガフガリオン
「話したらどうした? オレを止めたか?
「オレたちがやらなくても誰かがこの仕事を請け負うンだ! わかるか!
「おまえの知らないところで誰かが死ぬンだ! それが現実だ!
「おまえは、おまえの知らないところで起きていることを止められるとでもいうのか!?
剣士ラムザ
「しかし…、しかし、こんなこと、許されるっていうのか!
剣士ガフガリオン
「“しかし”って言うンじゃねぇ!
「おまえは“現実”から 目を背け、逃げているだけの子供なンだよ!
「それがイヤなら自分の足で誰にも頼らずに歩けッ! 独りで生きてみせろッ!!
「それができないうちはオレにでかい口をきくンじゃねぇッ!!
chapter2のラムザの傭兵の先輩であり、敵役となるガフガリオンのセリフ。
ラムザと違いガフガリオンは徹底したリアリストであるゆえに、1つの事柄に対して意見が大きく異なります。
この場面でも嫌な現実を受け入れがたいラムザに対するイラつきが感じ取れます。
一見すると「ガフガリオン、ひどいこと言うよな」と思いますが、現実から目を背けず自分の信念のもと行動しているガフガリオンの視点で見ると至極真っ当なセリフです。
「現実から目を背けているうちは意見は控えよう」が、ここで学んだ教訓。
実社会でも現実から目を背けているくせに偉そうに物事を語る人を見ると不快に思いますよね。
さりげに、このセリフの後にどうすれば良いかアドバイスもしているあたりから、ガフガリオンの優しさも感じ取れますね。
FFT名言⑤:僕は“持たざる者”なんだ…
chapter1、アルガスと決別した後のディリータのセリフ。
剣士ディリ-タ
「どんなに頑張ってもくつがえせないものがあるんだな…。
剣士ラムザ
「そんなこと言うなよ。努力すれば……
剣士ディリータ
「努力すれば将軍になれる?
「この手でティータを助けたいのに何もできやしない…。
「僕は“持たざる者”なんだ…。
剣士ラムザ
「………………。
アルガスから自分は平民であり貴族とは根本的に違うと言われて怒るディリータ。
だが、それは紛れもない事実であり、ディリータ自身も違いについては以前より気づいていました。
「持たざる者」ゆえに、努力してもたどり着けない境地があることに失望している、切ないセリフでもあります。
現実から目を背けることが得意なラムザも、平民と貴族の違いは努力ではどうにもできない事実には薄々気づいています。
chapter1のタイトルである「持たざる者」が、この場面で出てくるのも印象が強いです。
FFTの面白いところは、ディリータとは反対に「持つ者」であるラムザも「持つ者の責務」に疑問を感じ、それぞれが逆の方向に進んでいくこと。
理想の実現に燃えていた「持たざる者」であるウィーグラフも、革命の中で「持たざる者の限界」を感じ取っていたよね。
FFT名言⑥:け、剣はどこだ……! くそ……腕が……動かない……
chapter3リオファネス城、ハシュマリムが暴れた後のイズルードのセリフ。
神殿騎士イズルード
「……け、剣はどこだ……? どこにある……?
「あいつを…倒さなければ……。お願いだ……明かりをくれ……真っ暗で…何も見えない………。
アルマ
「…もう大丈夫よ。戦わなくてもいいわ…。安心して…。
神殿騎士イズルード
「……きみの兄貴…に…伝えてくれ…やはり…聖石は…“悪魔の力”…
「父は…、あいつは…父上じゃない…聖石の力によって……ルカヴィに……。ゲホッ!!
アルマ
「お願い、もう喋らないで…。
神殿騎士イズルード
「ラムザの…言っていたことは…正しかった…。
「あいつを…倒さなければ……世界は…滅ぶぞ……
「皆に…伝えて……くれ……戦争なんて…やってる場合じゃない…協力して…立ち向かわないと……
「け、剣はどこだ……! くそ……腕が……動かない……
アルマ
「大丈夫よ、安心して。大広間に『あいつ』の死体があったわ。
「兄さんが倒したのよ。だから大丈夫。あなたが戦う必要はないの…。
過激な思想を持ちながらも、己の正義を貫くイズルードの死ぬ間際のセリフ。
FFTでは様々なキャラが死んでいきますが、その中でも最も印象的な死に際の場面。
イズルードが明かりをくれと言っているが周りは明るいことから、出血多量で目の前が真っ暗になっているのだと想定されます。
しかし、そんな自分の身より世界を心配し、剣を探し立ちルカヴィに立ち向かおうとする姿はまさに「勇者」!
死ぬ間際に名言を残し、多くのプレイヤーの脳裏に最期の生き様を焼き付かせたキャラとも言えます。
マラーク曰く「聖石の力は、それを使う者の心次第…」だったら、なぜ勇者に最も近いイズルードの死の間際に「聖石」が反応しなかったのか納得いかない。
FFT名言⑦:さよなら、ガフガリオン…。
chapter2ライオネル城、ガフガリオンを撃破した後のラムザのセリフ。
剣士ガフガリオン
「むぅ……、こ、このオレが敗れるのか……?
剣士ラムザ
「さよなら、ガフガリオン…。
セリフのやり取りは短いですが、いろいろ意味が組み込まれた別れのセリフ。
ガフガリオンはラムザがベオルブ家の一員であることや、ジークデン砦事件で現実から逃げ出した事も知ったうえで傭兵として受け入れた先輩でもあります。(実際はラムザの兄ダイスダーグに面倒を頼まれた可能性が高いですが)
しかし、ラムザとガフガリオンは思想や立場から対立関係となり、ゼイレキレの滝、ゴルゴラルダ処刑場、ライオネル城城門前と3回戦うことになります。
ゴルゴラルダ処刑場ではラムザの成長を認めたり説得をしたりと意外と面倒見の良いところもありました。
そんな経緯もあってか、ラムザも少なからずガフガリオンへの感謝の気持ちも無意識にあったので、あえて「さよなら」という言葉を選んだと思われます。
このセリフの後、ガフガリオンは一瞬にしてクリスタル化することから、アビリティ「闇の剣」が継承できるとリセットして確かめたプレイヤーは僕だけではないはず!!
FFT名言3位:努力はしている!
chapter3リオファネス城内、ウィーグラフ戦の戦闘中のセリフ。
剣士ラムザ
「人間としてのその弱い心を克服せずに聖石の奇跡に頼る貴様は何なんだ?
神殿騎士ウィーグラフ
「弱い人間だからこそ“神の奇跡”にすがるのさ…。
「おまえこそ、自分が本当に強い人間と自信を持って言い切れるのか?
剣士ラムザ
「努力はしている!
神殿騎士ウィーグラフ
「ならば、その努力ももうおしまいだなッ!
2人が出会った頃、ラムザはまだ現実から目を背けていた甘ちゃんであったことから、戦闘では勝利しても議論・討論では言葉に詰まることが多かった。
しかし、ラムザはガフガリオンのアドバイスの通り自分の足で歩き、精神的にも大きく成長していきます。
その成長の証がウィーグラフ戦での議論討論。
序盤のラムザであれば、この問いに対し間違いなく悩まされていたはず。
そして、この場面で「言い切れる」でなく「努力はしている」と言ったこともポイント。
ラムザは自分が弱い人間でもあることを自覚していると同時に、その弱さを受け入れてしまえばウィーグラフのようになることから「努力はしている」という言葉を選んだのです。
ラムザの自信に溢れた回答に対し「ならば、その努力もおしまいだな」と、ばっさり切り捨てるウィーグラフの発言もなかなかです。
ラムザも努力はしているが、この鬼畜レベルの高難易度戦闘を乗り切るためにプレイヤーも努力はしているんだよ!
「ならば、その努力ももうおしまいだなッ!」→「無双稲妻突き」→「ゲームオーバー」→「ヒャッハー」の記憶が未だにゲーム史上トップクラスのトラウマ
FFT名言2位:今さら疑うものか! 私はおまえを信じる!!
chapter2ゴルゴラルダ処刑場、アグリアスのセリフ。
騎士アグリアス
「ラムザ、おまえはベオルブ家の人間なのか?
剣士ガフガリオン
「知らなかったのか、アグリアス。
「そうだ、その小僧の名はラムザ・ベオルブ。あのベオルブ家の一員さ。
剣士ラムザ
「たしかに僕はベオルブ家の人間だ! でも兄さんたちとは違う!
「僕はオヴェリア様の誘拐なんて全然知らなかった! 本当だ!
騎士アグリアス
「今さら疑うものか! 私はおまえを信じる!!
FFTでは裏切りシーンが非常に多い。
ラムザもアグリアスもガフガリオンやドラクロワ枢機卿等に裏切られたため、お互い疑心暗鬼になってもおかしくない状況です。
ラムザも上記のセリフから、アグリアスに信じてもらえるか確信は持っていない感じです。(王女の命を狙う北天騎士団を率いているのがベオルブ家であり、そのベオルブ家の三男であることを隠していたのだから当たり前)
しかし、そんなラムザの心配とは裏腹にアグリアスは直感でラムザを信じると言い切ってくれます。
今さら疑うものか!私はおまえを信じる!!
戦闘会話が多いFFTの中で、余計なやり取りがないシンプルなとこも良いです。
このセリフでアグリアスが一気に好きになりました。
FFT名言1位:家畜に神はいないッ!!
chapter1盗賊の砦、戦闘中のアルガスのセリフ。
剣士アルガス
「同じ人間だと?フン、汚らわしいッ!
「生まれた瞬間からおまえたちはオレたち貴族に尽くさねばならない!
「生まれた瞬間からおまえたちはオレたち貴族の家畜なんだッ!!
剣士ミルウーダ
「誰が決めたッ!? そんな理不尽なこと、誰が決めたッ!
剣士アルガス
「それは天の意志だ!
剣士ミルウーダ
「天の意志? 神がそのようなことを宣うものか!
「神の前では何人たりとも平等のはず!
「神はそのようなことをお許しにはならない! なるはずがないッ!
剣士アルガス
「家畜に神はいないッ!!
剣士ミルウーダ
「!!!!
FFTの代名詞とも言える名言!
FFシリーズでも上位にランクインするぐらい名言。
FFTの中でも徹底した差別思想のアルガスのセリフ。
平民ミルウーダに対し、
- 人間であることを全否定
- 自分(貴族)たちの家畜であると断言
- トドメとして家畜には神すらいないと切り捨て
激しい口調であったミルウーダも、この名言を放たれ絶句。
味方のディリータやラムザですら、一連の会話にドン引き。
議論・討論が多いFFTの中でも、これほど一方的かつ衝撃的なセリフはありませんでした。
差別にうるさい実社会で「○○人は俺たちの家畜だ」→「家畜に神はいない」なんて言ったら間違いなく大問題になるし、場合によっては国際問題にも発展するでしょう。
ネット上でおもしろいパロディがあったので紹介しておきます。
派遣社員ミルウーダ
「正社員がなんだというんだ!私たちは会社の家畜じゃない!
「私たちも社員だわ!貴方たちと同じ社員よッ!
「私たちと貴方たちの間にどんな差があるっていうの!?
「雇用された形態が違うだけじゃないの!
「ひもじい思いをしたことがある?
「数ヶ月間ももやしと素麺で暮らしたことがあるの?
「なぜ私たちが飢えなければならない?
「それは貴方たち正社員が奪うからだ!
「働く上での権利のすべてを奪うからだッ!
平社員アルガス
「同じ社員だと?フン、汚らわしいッ!
「入社した瞬間からおまえたちはオレたち正社員に尽くさなければならない!
「入社した瞬間からおまえたちはオレたち正社員の家畜なんだッ!!
派遣社員ミルウーダ
「誰が決めたッ!?そんな理不尽なこと、誰が決めたッ!
平社員アルガス
「それは神の意思だ!
派遣社員ミルウーダ
「神の意思?神がそのようなことを宣うものか!
「神の元では何人たりとも平等のはず!
「神はそのようなことをお許しにはならない!なるはずがないッ!
平社員アルガス
「社畜に神はないッ!!
派遣社員ミルウーダ
「!!!!
契約社員ディリータ
「ラムザ。彼女は本当に僕らの敵なのか…?
見習い管理職ラムザ
「・・・・・・
FFT名言・名セリフまとめ
FFTでは様々な視点から物事を見れることから、キャラの信念や思想が議論・討論を通じてプレイヤーに伝わる場面が多かったです。
だからこそ、印象に残る名言が多いと感じるのでしょう。
本記事でお伝えした以外にも、まだまだ名言・名セリフはゲーム中に出てきます。
また、他人には響かないけど、自分にはどっぷり嵌るセリフや場面も数多くあります。
FFTはシミュレーションゲームとしての完成度はもちろんストーリーも濃厚なので、まだプレイされていない方は、ぜひプレイしてみてください。
子どもの頃にクリアしたけど大人になってからはプレイしていない方も、再度プレイしてみると、子どもの頃にはスルーしていた気づきが発見できるかもしれません。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
お世話になった攻略本です。
聞くだけで情景が浮かんでくるサウンドトラック。