サガフロ2は発売当初は賛否両論の激しい作品でした。
本記事では、サガフロ2が低評価とされた要因を5つに分けて解説していきます。
ここだけの話、僕も1周目は低評価組でした。
サガフロ2の低評価原因①:キャラが多すぎて関係性が理解しにくい
サガフロ2では、ギュスターヴ編とウィル編の2つのシナリオがありますが、政治や戦争が関わるギュスターヴ編では、多くのキャラが登場するため、1周目では各キャラの繋がりや関係性が理解できません。
僕自身も周回プレイとアルティマニアの関係図を見て、ようやく理解できたぐらい・・・。
各キャラの繋がりや、関係性を理解するのが困難な理由は、以下の4点である。
- 登場回数が少ないが、シナリオ上、重要なキャラが多い
- いつの間にか、登場キャラが子供から大人になっている
- 2つのシナリオを交互するうちに、各シナリオのキャラを忘れていく
- 中盤以降、一気に登場キャラが増える
①登場回数が少ないが、シナリオ上、重要なキャラが多い
サガフロ2をプレイしていて気づくのは、シナリオ(歴史)上、重要キャラにも関わらず、登場回数が少ないキャラが多いこと!
とくにギュスターヴ編では様々なキャラが登場するため、登場回数が少ないと重要キャラだと気づかずスルーします。
代表例:オート侯カンタール
ギュスターヴの妹マリーの元夫。
ギュスターヴ亡き後、ケルヴィンと覇権争いになる。
名前は以前から出ていたが、表立って出てきたのは、ギュスターヴ亡き後。
カンタール亡き後は、子が23人もいたことが災いし、相続により領土は分裂し、力は弱まる。
しかし、娘の1人ヌルヴィエムが戦いの意志を継ぎ、ケルヴィンの息子と戦っていく。
また、カンタールの23番目の末娘であり、歳の離れたヌルヴィエムと養子縁組したプルミエールは、ジニーやグスタフと共に最終決戦に臨むのである。
ケルヴィンとカンタールの敵対関係は、次世代であるケルヴィンの子チャールズとカンタールの娘ヌルヴィエムにも引き継がれます。
それゆえに、ケルヴィンの孫のグスタフとカンタールの末娘プルミエールが、ジニーと共闘してラスボスに立ち向かう光景は、感動場面の1つです。
このことから、カンタールは子も含め重要な役割を果たしいるのです。
しかし、シナリオを流し見していると、ラストダンジョンの将魔との一騎打ちで悲劇が起きる・・・

こんな感動のセリフを言われても、
カンタールって誰だよっ!
はい、台無しです。
②いつの間にか、登場キャラが子供から大人になっている
サガフロ2は、1220年~1306年の86年間を時系列でプレイします。
当然プレイしていく中で、キャラは年老いていきます。
キャラによっては子供時代に初登場、大人になって再登場となるのだが、口調や立場も変わっているため、同一キャラと気づかずスルーします。
代表例:ヴァンアーブル
1260年の初登場時は、まだ子供であり、ギュスターヴやフリンと共に過ごしていました。
しかし、1269年にギュスターヴの陣営が襲撃を受けた後、しばらくシナリオに出てこなくなります。
そして、1305年に初老のおっさんとなって再登場。
ヴァンアーブルは、ケルヴィンの孫のグスタフに「ギュスターヴの剣」を渡すという、重要なポジションを担っていました。
しかし、シナリオ上、登場回数は少なく、ギュスターヴ亡き後もしばらく姿を見せませんでした。
そのため、1269年の「南の砦」イベント時と1305年の「サウスマウンドトップの戦い」イベント時のヴァンアーブルが、同一キャラと気づかなかった人も多かったはずです。
ちなみにヴァンアーブルはギュスターヴ亡き後、「ギュスターヴの剣」を持つに相応しい人物を、ずっと探していたとのこと。
初当時のヴァンアーブル(13歳)
すっかり年老いたヴァンアーブル(58歳)
髪も白髪になり、口調も変わっているため、初登場時と同一キャラと気づきにくい。
ヴァンアーブルがグスタフに「ギュスターヴの剣」を渡す上記の場面は、ちょっとした名場面。
しかし、この時のヴァンアーブルと、1269年「南の砦で」シナリオで、ギュスターヴによって生き残ることができたヴァンアーブルが、同一キャラだと気づないと、「馴染みのある強めの剣」を受け取った程度の感想に終わります。
1269年「南の砦で」のヴァンアーブルとギュスターヴとフリン。
ギュスターヴとフリンは、このイベントで最期となります。
③2つのシナリオを交互するうちに、各シナリオのキャラを忘れていく
サガフロ2では、ギュスターヴ編とウィル編の2つのシナリオが用意されており、各シナリオの進め方はプレイヤーに委ねられます。
そのため、年代順に行うプレイヤーもいれば、まずはギュスターヴ編をある程度進め、キリの良いところでウィル編に遡るプレイヤーもいます。
プレイして気づくのが、ウィル編をしばらく進めてからギュスターヴ編を戻ると、ギュスターヴ編のキャラを忘れていること。
キャラを忘れていく原因として、ウィル編はダンジョンがメインであり、シナリオ1つ1つのクリアに時間を要するからです。
したがって、ウィル編をまったり進めていると、ギュスターヴ編の登場回数の少ないキャラは、時間と共に記憶から消えていくわけです。
ウィル編とギュスターヴ編のキャラの関係性が強ければ、この悲劇は防げたのに・・・
④中盤以降、一気に登場キャラが増える
ギュスターヴ亡き後は、親友であり妹の夫でもあるケルヴィンが焦点となります。
ケルヴィンに焦点が当たると、まるで見計らったように敵も味方も表舞台へ顔を出してくるため、一気に登場キャラが増えます。
気づいたら、ケルヴィンとギュスターヴの妹のマリーが結婚していて、気づいたら子供が2人(チャールズ、フィリップ3世)いて、気づいたら愚息チャールズにデーヴィドという人格者の子供がいました。
主人公の親友ポジションのキャラのくせして、これだけのライフイベントが描かれています。
僕自身の話ですが、初回プレイはイベントを流し見していたため、チャールズやデーヴィドやフィリップ3世が、ギュスターヴやケルヴィンとどのような関係か分からないままストーリーは過ぎていきました。
最終的にはラスボスを撃破するも・・・
グスタフの父っては誰なんだ?
プルミエールって何者?
サウスマウンドトップの功労者デーヴィドって誰よ?
そんな疑問を残しながら、エンディングを迎えました。(中盤のイベントを流し見した者の末路)
サガフロ2の低評価原因②:投げっぱなしのシナリオ
一般のRPGならば、事件があれば犯人を見つけて(もしくは倒して)シナリオクリアとなるのだが、サガフロ2では様々なシナリオが、謎のまま過ぎ去っていきます。
キャラの台詞を注意深く追っていれば、見えてくる事柄も確かにあります。
しかし、アルティマニア等の攻略本や設定資料に頼らないと、補完されない事柄が多いのも事実です。
考察の楽しみを残すことも、シナリオの面白味を増やす要素の1つと言えます。
しかしながら、サガフロ2は従来のナンバリング作品と違い、ストーリー重視のゲームであることから、もう少しゲーム中で補完をするべきだと思います。
せっかくなので、投げっぱなしの事例を3つ紹介します。
- ギュスターヴ謀殺の黒幕
- フィリップ2世暗殺の黒幕
- グスタフが放浪になった真相
①ギュスターヴ謀殺の黒幕
カンタール?
同志を狩られたアニマ教団??
最後まで、黒幕は明らかになりませんでした。
ギュスターヴは、南の砦でモンスター達に襲撃されて命を落とします。
しかしながら、襲撃のタイミングが良すぎたことから、モンスターの襲撃は偶然でなく、誰かの陰謀であることは間違いないです。
②フィリップ2世暗殺の黒幕
ギュスターヴがフィリップ2世を刺した兵に「誰の指図だ?」と問い詰められると「何をおっしゃいますか、貴方様の御命令ではありませんか」と答えます。
このことから、暗殺の狙いはギュスターヴの立場を悪くして、得をする者だと考えられます。
作中ではアニマ教団を首謀者と断定して、アニマ教団狩りを行うも証拠は出てきませんでした。
怪しいのは、敵対関係のカンタール??
③グスタフが放浪になった真相
叔父チャールズが嫌い??
グスタフの父フィリップ3世は、叔父チャールズに見殺し(援軍を出さなかった)にされています。
また、フィリップ3世は叔父チャールズの作戦で大きな負傷も負っています。
このままでは自分も見殺しにされる?
政治の道具になりたくない??
今後のプレッシャー???
真相は明かされなかった・・・。
ちなみに、この画像の「父の遺言」とは、従兄弟のデーヴィドと共にヤーデ家を守ることです。
サガフロ2の低評価原因③:自由度が低い
ロマサガシリーズおよびサガフロンティアの醍醐味と言えば「自由」と「戦闘」でしょう。
「自由」については従来のRPGと違い、ダンジョンやシナリオ攻略の順番は、プレイヤーに委ねられる部分が多いのが特徴です。
例えば、雑魚敵出現においては従来のRPGのように、Aという場所にBというモンスターが出現するわけでなく、戦闘回数N回以上はCが出現、戦闘回数M回以上はDが出現という、革命的なシステムを導入しました。
この革命的なシステムにより、どこへ行っても、いきなり強敵が出現するわけでなく、行動範囲において「自由」を最大限に発揮することができました。
ドラクエ1も、ダンジョン攻略の順番は、プレイヤーに委ねられていましたが、敵の出現配置が固定されていたため、現実的にはある程度、攻略の順番は決められていました。
しかし、サガフロ2では、次に攻略するシナリオが固定されているため、プレイヤーに選択の余地などありません!
それどころか、行きたいときに行きたい街やダンジョンに行くことさえできません!!
サガフロ2において「行動の自由」は一般のRPGを下回っているのです。
ドラクエやFFでも、好きな時に、好きな街やダンジョンに行けたのに・・・
サガフロ2は行き場所も制限されることから、プレイヤーの攻略手順に大きな差が出ないのが特徴です。
旅行で例えるなら、自由行動がほぼ無に等しい完全なツアー旅行。
そんなんじゃねェだろ!
オレは自由な冒険がしたいんだよ!!
本シリーズに「自由」求めていたプレイヤーは、この部分が大きく減点対象となったはず!
なお、この「自由」の救済措置は、2周目以降シナリオ攻略の順番をプレイヤーに委ねたことでしょう。
よって、いきなり1306年のラストダンジョン攻略や、1269年のギュスターヴが討たれるイベント攻略後、遡って1227年のギュスターヴ追放イベント攻略も可能となる。
サガフロ2低評価原因④:キャラ育成が限られる
続いて、ロマサガシリーズおよびサガフロンティアの醍醐味である「自由」と並ぶ「戦闘」について解説します。
ロマサガシリーズおよびサガフロンティアでは、多くの仲間キャラが用意されていたため、最終メンバーは十人十色となる。
最終メンバーがプレイヤー同士、一致するのが奇跡です。
また、各プレイヤーが思い入れのあるキャラ育成に励み、極限まで鍛え抜いたりするのが、このシリーズの醍醐味の1つです。
サガフロ2においても、確かに仲間キャラは多く登場します。
しかし、時代の流れと共に、姿を消していく・・・
最終的には、6人のメンバーとなるが、うち5人は1305年に登場となる。
最初から最後まで、現役でいるのは1220年生まれのウィル(最終決戦時86歳)だけです。
なお、そのウィルも、しばらくはシナリオから姿を消します。
したがって、思い入れのあるキャラを極限まで鍛えても、全くの無意味になります。
お気に入りだったエレノア、リッチ、サルゴン、ヨハンをもっと活躍させたかった・・
せめて、ロマサガ2のように、なんらかの形で、鍛え上げたステータスを継承させてほしかったです。
評価できる点は、閃いた技や術に関しては、ロマサガ2の技道場のように、1人が閃けば仲間や後世のキャラへ共有できること。
ぶっちゃけ、ラスボスの難易度が高い理由の半分は、このキャラ育成の仕組みのせいです。
サガフロ2の低評価原因⑤:戦闘が地味
戦闘の地味さは、前作のサガフロンティアをプレイした方は、特に感じる部分です。
サガフロ1では1つの技でもキャラやカメラワークの動きが激しく、躍動感溢れる戦闘でした。
また、サガフロ1より新たに導入された「連携システム」においては、こちらが意図していなくても、無造作に連携を発動してくれることも多く、偶然の連携により、強ボスを撃破できたプレイヤーも多かったはず。
特に4連携、5連携は、発動時のエフェクトにも力が入っており、どのような連携技を見せてくれるのか、ワクワクさせてくれました。
しかし、サガフロ2では、カメラワークの動きが緩やかであるせいか、サガフロ1程の躍動感はなし。
連携技においても3連携以上に関しては発動率が低く、戦闘におけるワクワク感は減少。
他にも、サガフロ2ではBGM担当が伊藤賢治(イトケン)から変更され、イトケン独特の疾走感溢れる曲は消え去りました。
結果、サガフロ2の戦闘は落ち着いてしまったわけです。
サガフロ1のような派手な戦闘を期待して、サガフロ2に挑むとがっかり感が半端ないのが本音。
戦闘BGMにおいてもナンバリング作品である以上、ロマサガシリーズやサガフロのイトケン曲と比較されるのは仕方のないことです。
サガフロ2が低評価された5つの理由まとめ
サガフロ2は、これまでのシリーズと比較して内容を大きく変更したこと、説明不足のシナリオ、自由度が少ないシステムであったことから、評価は大きく別れた作品となりました。
しかし、これまでのシリーズの固定概念を打ち破ったことは事実です。
今回挙げたような低評価ポイントはあるも、サガフロ2独自の魅力により、シナリオ主人公であるギュズターヴのように徐々に人々を惹きつけた作品とも言えます。
個人的には戦闘はあまり期待してはダメだけど、シナリオはじっくり楽しめる作品です。
最後に1つ言わせてもらうと、サガフロ2の低評価の1つに「難易度が高い」ことを挙げている方を見かけますが、これは過去作品の経験者にとっては疑問視するところ。
確かに、コンバット「サウスマウンドトップの戦い」の難易度は高いですが、ロマサガシリーズなら耐えられる理不尽の難易度です。
ラスボスも強く、最終メンバーを鍛えないと太刀打ちできませんが、根強い人気を持つロマサガ2の「ラスボス七英雄」のような、詰むレベルの強さではないです。
そもそも、本シリーズは難易度高めで、各難所をクリアすることに喜びを味わう「M仕様」のゲームである。
そのため、難易度が高いことは「自由」同様に、本シリーズの醍醐味とも言えます。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


